Googleの無償版G Suiteの終了が発表されました。詳細は下記の記事をご参照ください。
これを受け、Googleは有償版Google Workspaceへ移行を推奨していますが、1ユーザー600円もの費用負担は到底できない!という方も多いはず。今回は、無償で作成できる個人Googleアカウントへ移行する方法をご紹介します。
G Suite アカウントから個人Google アカウントへ移行イメージ
まずはじめに移行イメージをご紹介します。
G Suite(現在はGoogle Workspace)の組織内で作成したアカウントと、Googleの個人用アカウントは別もので、G Suite(Google Workspace)組織アカウントからGoogle個人アカウントへ、またはその逆へ移行はできません。
Gmailをはじめカレンダー、Googleフォトなどのコンテンツはエクスポートのあと、Google個人アカウントへインポートする手順を踏む必要があります。これはアカウントごとに作業が必要かつ、そのまま移行ができないものも多く存在します。
移行方針として以下の予定を立てました。
移行対象
- Gmail(メール)
- カレンダー
- 連絡先
- Chromeブラウザのブックマークなどの情報
その他、Googleフォト、Google Fit、Googleフォト、タイムライン、地図お気に入り情報などは移行を諦めました。オリジナルファイルは手元にあるものや取り込みが不可なもの、手間が大きいものは対象外としました。これらは、新たに収集を始めるものと割り切りることとしました。
メールは独自ドメインを設定していましたが、個人アカウントに移行後、転送する必要があります。
前準備
- Google 個人用アカウント取得(人数分)
- G Suite アカウントでデータをテイクアウト(エクスポート&ダウンロード)(人数分)
- Xserverなどのサーバレンタルサーバを契約
まずは、G Suiteのアカウントの数だけGoogle個人アカウントを取得してください。
次にG Suiteの各アカウントでデータをテイクアウトしてください。すべてをダウンロードすると40種類以上にのぼり時間がかかるため、Gmail、カレンダー、連絡先に限定してエクスポートすれば数時間でダウンロードできます。
最後に、Xserverなどのレンタルサーバを契約します。これまで、G Suiteに設定してあったドメインをXserverに設定しメールアカウントを作成することで、Google 個人アカウントのGmailに転送する、という作戦です。
アカウントの移行
- Gmailの設定
- カレンダーの設定
- Xserverの設定
Gmailの設定
各Google 個人アカウントのGmailにメールをインポートする場合、IMAP経由でGmailに取り込みます。
- G SuiteのGmailをGoogle 個人アカウントのGmailのメールアドレスに転送設定
- Gogole 個人アカウント GmailでG Suiteのメールで送信できるように設定(SMTPはG SuiteのGmailアカウントを設定)
- メールソフト「Thunderbird」をPCにインストール、ダミーのPOPアカウントを作成
- 「Thunderbird」にプラグイン「ImportExportTools NG」をインストール
- テイクアウトしたGmailデータの中にある「mbox」ファイルを「Thunderbird」にインポート
- Google 個人アカウントの設定からIMAP接続を許可する
- ThunderbirdでIMAP接続する
- IMAP経由でメールを移行する
私はGmailへIMAP経由で取り込みはしないことにしました。上記の5までの設定をしておきます。もし過去のメールを検索したい場合はThunderbirdで過去メールを検索できますもんね。
カレンダーの設定
テイクアウトしたカレンダーのデータを各Google個人アカウントへインポートします。カレンダー分あるのでそれぞれインポートしましょう。
カレンダーのデータは容量も小さいですしインポートしておくといいでしょう。
Xserverの設定
上記の設定をすることでGoogle 個人アカウントでこれまでの独自ドメインのメールアドレスで受信・送信できるようなったと思います。2022年5月1日以降、G Suiteのアカウントやカスタムドメインの機能が停止されると、メールの転送も停止されることになります。
それまでに以下の作業を実施します。
- Xserverでドメインを作成
- メールアドレスを設定(各アカウント分)
- 各メールをGoogle 個人アカウントのGmailのメールアドレスに転送設定(元のメールは削除でOK)
- ドメインに設定されたDNSサーバのNSサーバの設定を変更(Google → Xserver)
- Google 個人アカウントGmailの送信元サーバをGoogleからXserverに変更(SMTP)
数時間〜48時間程度でDNSは切り替わり、G Suiteのメールに着信されることはなくなるでしょう。以上で以降作業完了です。
さいごに
やっていることはすごく簡単な作業ですが、G Suiteの場合は家族・親戚で利用している場合も多く、作業数が多くなり結構な負荷になります。
今後、Googleが無料アカウントへ移行サービスを提供してくれる可能性があると思います。その場合、どのようにロストすることなくドメインを移管するのか?現時点で不明な点も多く、また、カスタムドメインは今後も無料でサービス提供される可能性は限りなくゼロに近いとう予想されます。
そう考えると早い段階でGoogleに依存しないシンプルな構成に切り替えることが吉と言えるかもしれませんね。
かなり簡単に手順をご紹介しましたが参考にしていただければ幸いです。