2011年末にプチブームになったテレビ番組を全部録画しちゃおう!というレコーダー。2012年は全録元年と言われて久しいですが、新しいガジェット好きな私が興味を持たないはずがありません(^_^;)。
しかし全録画レコーダーを必要としない決定的な理由が私にはありました。それは、私は「ほとんどテレビを見ない」という点。
昨今のバラエティ番組をつけても、ゴールデンタイム帯のニュース番組を見ても、どれもため息が出る内容のものばかり。テレビの電源をオフにしてインターネットをすることが多いのが現状でした。
しかし、去年末から興味があった全録画レコーダー。ふと気になってしまったのです。「番組を全部録がするというのはどんな感覚なんだろう? いつでも過去の番組を見られるとどんないいことがあるんだろう? 」
もうこうなるといてもたってもいられず、Amazonのウェブサイトを開いて購入してしまったのは言うまでもありません。今回は、『BUFFALO 8チャンネル自動録画 HDDレコーダー [全録 ゼンロク] 2TB DVR-Z8
DVR-Z8のいい点やうーんな点をはじめ、競合機の「TOSHIBA REGZAブルーレイ 3Dディスク・タイムシフトマシン・外付けUSBハードディスク対応ブルーレイディスクレコーダー HDD2.5TB DBR-M180
全録画レコーダーとは?
文字通りなので説明の必要はないようにも思いますが(^_^;)、全録画レコーダーは、複数のチューナーが内蔵されていて、複数のチャンネルを全部録画しちゃうことで、いつでも前の番組を見られるのが最大の特徴です。
複数のチューナーが搭載された機種は既に存在しますが、その目的の多くは、2番組、3番組同時録画といった主に裏番組を見逃さないためのものですが、全録画レコーダーの場合は8チャンネル同時録画!なんてことをやってのけます。これはいかついですよね(^_^;)。
ちなみに2012年はいろんなメーカーから全録画レコーダーが発売されることが期待された(予想された)のですが、実質は有名どころからは現時点では、バッファローと東芝のみとなっています。
理由はテレビ局から云々あるとかないとか、大人の事情があるとかないとか……?
バッファローDVR-Z8か?東芝DBR-M180か?
全録画レコーダーを選ぶとなると前述の通り選択肢はかなり狭くなります(^_^;)。バッファローと東芝の機種から選択することになるでしょう。
バッファローDBR-M180はHDDが2TBです。東芝は2.5TBのDBR-M180と5TBのDBR-M190がありますが、同等スペックのDBR−M180と比較したいと思います。
DVR-Z8 / DBR-M180 比較表
機能 | DVR-Z8 | DBR-M180 |
---|---|---|
同時録画チャンネル数 | タイムシフト8ch+通常録画1ch | タイムシフト6ch+通常録画2ch |
最大録画日数 | 約9日分(2Mbps) | 約8日分(3.5Mbps) |
Blu-rayへのダビング | 不可 | 可 |
外付けUSB HDDへのダビング | 可 | 可 |
ネットワークテレビ対応 | 不可 | 可 |
キーワードによる過去番組検索 | 不可 | 可 |
DLNAサーバ | 不可 | 可(ただし通常録画した番組のみ) |
ブロードバンド放送対応 | 不可 | 可 |
価格帯 | 約5.1万円 | 約7.8万円 |
消費電力 | 31W | 79W |
どちらの製品もメーカーの特徴をよく表していて面白いですね(^_^;)。尖った製品の DVR-Z8 とてんこ盛りの DBR-M180。優れている方を赤で塗ってみました。
使い方によって重要視するポイントは変わってくると思うのでよく吟味してみるといいかもしれません。
私の場合は以下の点がポイントとなりました。
- タイムシフト同時録画チャンネル数は最低7チャンネルが必要
- 価格
- 消費電力
シンプルにこの3点。
NHK総合、教育、毎日、ABC、関西、読売、テレビ大阪と最低7チャンネルは同時録画が必要です。サンテレビはいらないかな(^_^;)
東芝の6チャンネルは実に惜しい……。通常録画は1チャンネルでいいのでタイムシフトを7チャンネルにできなかったものか?と悔やまれます。
後は消費電力。全録画ということでずっと動作中なわけで消費電力量も重要な選択ポイントです。その差は驚くほどあり約2.5倍!月間電気代は、DVR-Z8は約491円/月、DBR-M180は約1,251円/月とバカにならない差になります。
いろんな機能があれば嬉しいのですがどうせ使わないですし、保存しておきたい番組はUSB接続した外付けHDDに逃がしておけば充分かな、と思うので、私は必然的に、DVR-Z8を購入することにしました。
バッファロー製品はルーターやネットワークRAID HDDで痛い目に遭ったことがあるので若干不安でしたが……(^_^;)。
らくらくTVレコーダー DVR-Z8 ゼン録 開封の儀
早速Amazonで購入してみました。実は6月22日に購入したのですが、本当に大丈夫?という若干の不安もありましたので2週間以上使ってみた感想も含めて書きたいと思います〜。
パッケージはこんな感じ。普通の家電ですな。
開封するとこんな感じ。ふむ。
同梱物です。本体にマニュアル類、B-CAS、付属機器といったシンプルな構成。
B-CASをのぞいたものはこちら。
本体左上に書かれたロゴ類。うん、シンプルっす。
本体右上はHDDアクセスランプになっています。
本体裏側。アンテナの入出力とアナログ出力、LANポート(ファームウェアバージョンアップのみに利用)、通常録画、番組表取得用B-CASカードスロット、USBポート、HDMI、光デジタル音声出力、電源となっています。
そしてこちらが、B-CASカード一式。タイムシフト8ch+通常録画1chの計9枚のB-CASカードです……。圧巻。
1枚のB-CASカードで6chまで対応できると聞いたことがあるのですがバッファローは男前に1チャンネル1枚のB-CASカードを利用します!! (その方が安定しているのか、技術力が必要なのか?は不明です(^_^;))
並べてみました。おそらくこんなにB-CASカードを持っているご家庭はそうないでしょう(^_^;)。
本体前面カバーを開けて、タイムシフト用の8枚のB-CASカードをセットします。ほんとカッコイイ(^_^;)。
後は本体をアンテナとテレビに接続します。ちなみにHDMIケーブルは別売りとなっています。
電源を入れると初期設定画面が表示されます。画面の指示に従い、地域を設定し、まるっと全録の対象チャンネルを設定して完了です。
一点だけ設定で注意しなければいけないのが、まるっと全録は停電など主電源をON/OFFされたり主要設定を変更した場合、全録で録画したデータは消去されてしまいます。このため、停電普及時の動作を「自動再開する」と「自動再開しない」から選択できます。
「自動再開しない」の場合は電源を入れた時点で過去の番組が残っているので大切な番組をHDDにコピーできたりします。ただし自分で再開するまで全録画されません。(再開した時点でデータは消えます!)
私は過去のデータよりもその後の番組が撮れていない方が悲しいので、「自動再開する」に設定しました。
あとは自動的に番組表を取得し、全録画がスタートします!! 簡単!!
DVR-Z8のGoodな点とうーんな点
約2週間半、DVR-Z8を使ってみて感じたGoodな点とうーんな点をご紹介。
DVR-Z8のここがGood!!
- いつでもも過去9日間の番組を見られるのは便利、ストレスフリー
- テレビを見ていてもタイムシフトでいつでもちょっと前に戻れる
- 番組を録画という概念が無くなった
- 効率的にニュースをチェックできるようになった
- これまで知らなかった番組と出会えた
実際に使ってみないとこの感動は伝わりにくいと思うのですが、総じての感想は「買って良かった!!!」です。
これまでは「番組を録画する」という操作が当然必要でしたが、これにはいくつかハードルがあって、見たい番組を認識することと録画設定が必要となります。面白い番組かどうかは見てみないと分からないのですが、「あ、これみたいな」だとか「あ、これ面白そう」というように考えた上で録画設定する必要がありました。
VHSテープのビデオデッキからHDDレコーダーになったときに「いっぱい予約ができるようになった!」と感動したものですが、気づけば見ない番組がゴミのように溜まっている状況に。溜まった録画リストを消すのが日課なんていう人も多いのでは無いでしょうか?
それが、全録画レコーダーでは、録画された期間、チャンネルの番組はいつでも見られます。DVR-Z8の2Mbpsなら約9日間も残っています。いつでも1週間前の番組を見られるんです。1週間前の見逃したドラマを見ることもできるし、子どもは何回もアニメ番組を見たりしますが、1週間見て次の週に新しい回が自動で録画される……。前の回を消去する必要もありませんし、なんて便利なんでしょうか。
またTwitterなどネットで話題になった番組も、後からチェックすることも可能です。これまでのレコーダーでは到底できなかったことですよね♪。
また、テレビを付けたときに面白そうな番組が既に始まってしまったいたときも、番組冒頭から見直すことも当然できます。タイムシフトという機能があり、いつでもまさに時間をシフトできます。
このタイムシフトが超便利。タイムシフトを使うといつでも過去に戻れます。例えばトイレに行った後や、プレゼントの応募先住所なんかもポチッと戻って再確認もOK。さらに言えば「プレゼントのキーワードは番組の最後で!」なんていうのもわざわざ録画操作をしなくても後日、タイムシフトで戻って確認できますもんね。ほんと、番組録画という概念がまったく無くなりました。
ニュース番組って文字で見る記事より分かりやすい面もあるのですが、バラエティ化してしまって悲しい昨今ですがNHKニュースやrテレビ東京のWBSなど、主要ニュースをコンパクトにまとめられているので、ピックアップして見たりするようになりました。
後は番組表を眺めていて今まで知らなかった番組を発見することがあるという点。NHKっていい番組が多いのですがその存在を知らずに見逃している番組って結構あるんですよね。特集番組などを見逃すこと無く見られたり、面白い深夜番組を見つけられたり、テレビって面白い番組もあるんだ!とこれまでの考えを覆させられました。
DVR-Z8のここがうーん
- 番組表が一度に5chまでしか表示されない
- 過去の番組のキーワード検索ができない(ジャンル検索は可)
- 過去の番組を途中で停止して現在の番組を見ると再び途中から再生できない
- 購入後、5日目に一度だけフリーズした
機能がシンプルなDVR-Z8なので、再生周りの不満点が多くなります。
番組表は一度に5チャンネル分しか表示されません。一覧性が低く上下で時間帯、左右でチャンネルを移動しながら面白そうな番組を探しているのですが、一度に録画しているチャンネル分は表示させて欲しいですね。
またキーワード検索が無いので番組名や出演者で検索ができず不便です。ジャンル検索はできるので「バラエティ」や「映画」で絞り込んだりするのですが、キーワード検索は欲しいっす!
これら2点はファームウェアでぜひ機能追加に期待したいところです!!
また、DVR-Z8は過去の番組を再生する場合も、タイムシフトの概念で再生されます。番組表から過去の番組を再生したら、その時間にタイムスリップした感じになります。チャンネルを変えるとその時間帯に放送されていた番組が見られるんです。
これは斬新で面白い!と思ったのですがよく考えると過去の番組を見るときはその時間帯にタイムスリップをしたいのでは無くて、その番組を見たいだけなんですけどね……。タイムシフト中は番組が終われば当然、次の時間帯の番組が始まります。なんか変な感じですね。この感覚にはまだ慣れません〜。
このため、過去の番組を途中でストップして、現在の番組を見たい場合はタイムシフトを終了させる必要があり、タイムシフト終了後、ふたたび先ほど見ていた番組を番組表から選択すると、はじめから再生されます。これは不便。再生位置は覚えておいて欲しいですね……。
あとは、購入後一度だけですが本体がフリーズしました。ブルー画面になってしまい操作が効かなくなったため電源を長押しで再起動。自動再開にしていたのでこれまでの番組が綺麗に吹き飛びました(^_^;)。ものすごい喪失感でしたが、それ以降は今のところ機嫌良く動いています。
ずっと起動中なのでHDDの耐久性がどんなものか?が今は最大の不安だったりしますが、夏場に向けて通風口のスペース確保など気をつけています。
画質は…?
最後に画質について触れておきたいと思います。私は7チャンネルで9日間の録画をしたいため、低画質の2Mbpsに設定をしています。
画質は動きの速い映像や紙吹雪など細かく動くものがある場合、細かい字幕スーパーにブロックノイズが乗ります。見ていてはっきりわかるレベルです。ちょっと表現が間違っているかもしれませんが、感覚的に、一般的な地デジ放送との差は、VHS録画機の3倍モード的な画質ほどあるように感じます。
また、標準画質の4Mbpsでは、通常の放送より若干落ちるかな?という程度でブロックノイズもほとんど乗らず「普通にきれい」という感じです。
実際に画質比較はできていませんが、そう言う意味では低画質でも3.5Mpbsで録画する、DBR-M180の方が画質はきれいなのかもしれません。
最後に
テレビをあまり見ない私なので、全録画レコーダーなんていらないかな?と思ったのですが、その考えは一変しました。総じて大満足。テレビの見方が変わったというのが総論でしょうか。
実はまったく逆だったのです。あまりみないからこそ、いい番組だけをいつでも見られるように全部取っておく。というのが賢い使い方だったのです。
「テレビは面白くない!」と最近お嘆きの方にぜひ全録画レコーダーをオススメしたいと思います♪。