ほんの5、6年ほど前までは学生の間で人気が高かったau。しかし、ここ数年はスマートフォンへの対応に遅れ、そして携帯電話でも他社と比較し差別化が図れない機種が多くなってしまったau。ガンガンメールとかネーミングセンスもおかしくなってきたので心配をしていましたが、今度は本気(?)のようです。
18日に発表された2010年秋〜2011年春発売予定の機種は、スマートフォン、モバイルWi-Fiルーター、電子書籍と遅ればせながらもようやく他社に商品ラインナップが追いついた、というところでしょうか。
さて今回の発表でもっとも反響が大きく、ショックを受けたのがスカイプとの提携です。「禁断のアプリ」とも言われるスカイプを自分から取り入れてしまったところが、ドコモ、ソフトバンクにはできなかった事をやってしまったという点は評価できると思います。
今回の提携で、「Skype au」をスマートフォン向けに提供されます。まずは「IS01」と「IS03」から提供され、以後KDDIのすべてのアンドロイド搭載のスマートフォンに展開し、2011年にはスマートフォンではない従来型の携帯電話へも展開されるようです。
ここで一番興味がある料金体系ですが、現段階では詳細は発表されていません。国内向けにSkype Outは展開されないようなので、思いの外禁断では無いアプリになるかもしれません。料金の詳細は11月に発表の予定です。
ちなみにiPhoneでは既に、iPhoneアプリをインストールすることでかなり危険なことになっています(^_^;)。詳細は、「iPhoneユーザーはSkypeを使わない手は無い!料金一覧&ホワイトプラン料金を比較してみた | ひとぅブログ」をご覧いただきたいのですが、auはどこまでこの内容に近づけるかが、ポイントと言えそうです。
最後にauとSkypeの提携でauの勝算はあるのか?予想を書いておこうと思います。
Skype au 機能的な特徴
- シンクライアント型アプリケーション
- P2Pの仕組みはサーバ側で動いている
- 通常のSkypeアプリよりも電池の持ちが長くなる
- 待ち受けは可能(?)
Skype au 料金(10月20日現在の予想)
- Skype同士無料
- Skype au 基本料金(?)(月額300円程度?)
- Skype Out 国外のみ利用可(?)(購入方法は?)
- Skype Out 国内は利用不可
auの勝算は?
なぜ使えば絶対お得なSkypeがiPhoneで言うほどに普及していないかを考えてみると、「設定が面倒」、「やり方が分からない」、「知名度が低い」の3点に尽きると思います。たったこれだけの理由なのです。しかしこれが重要なポイントで、家電のテレビが普及するけれどもパソコンテレビが普及しないのと同じと言えるのではないでしょうか。
Skype auの登場で、この問題点が一気に解決してしまうと言って過言では無いでしょう。今後、auのカタログに「Skype au」という名称やロゴが掲載されるでしょうから、露出度が上がり、Skypeの知名度が上がるでしょう。従来型の携帯電話にSkype auが搭載されるようになると、設定はもちろん不要でしょうし、操作方法が難しいなんて事もなく簡単にSkypeを使えるようになります。普通に考えると今後2、3年以内にSkypeが爆発的に普及すると思われます。
では、auはどこで儲けようとするのか?
Skype auを売りに加入者が増えることで通話基本料金だけでも欲しいと思っているのでしょうか?通話料金の減少を穴埋めするために、Skype auの基本料金を取ろうとしているのでしょうか?実はここが普及のポイントだと思っています。
Skypeは元々無料で利用できますが、それに基本料を取ることを考えると加入者は伸びないでしょう。基本料を設定してきた時点でauの目的は話題作りであってSkype auを本気で普及させようとは思っていないと言えそうです。
スカイプアウトの国内通話はできないことが既に発表されていますが、通信業者としては通話料金の減少を食い止めるため、スカイプアウトの国内通話が許可されないのは理解はできるのですが魅力は半減してしまっています。
また、Skype auの副作用も通信業者にとって深刻です。
Skype auでは待ち受けができるようになるでしょう。Skype auが搭載されたau同士はもちろん、iPhone、ドコモアンドロイドからもSkypeでかけることができ、通話料が0円となります。これはau、ソフトバンク、ドコモにとって頭の痛い結果となってしまいます。
しかしこれをよく見ると、au→ドコモ・ソフトバンクには有料となるのです。ドコモ・ソフトバンク→auは、Skypeアプリを使えば無料になるのです。auユーザーに取ってSkype auは本当に得なのでしょうか?
まさに通信業者に取って禁断のアプリを搭載することを決定したau。11月に発表される料金体系に注目したと思います。ポイントは「Skype auの月額基本料を取るか取らないか?」、「待ち受けは可能?」、「Skype Outの料金(海外のみ?支払い方法?)」の3点です。auが今後、Skype auと、どの方向へ進もうとしているのかが非常に興味深いところです。
またドコモ、ソフトバンクの出方も注目をしたいですね。