2018年11月に、Flickrの仕様が変更となり、フリーアカウントは1000枚までとなりました。Flickrの写真をWordPressで運用するのはお勧めしません。
ひとぅブロでは、写真データ、画像データをFlickrで一括管理しています。理由は後述しますが、ブログツールはWordPress、画像データはFlickrで管理している人を見て「なぜそんな面倒な事をするのだろう?」と不思議に思う方もいるかもしれません。
私は、試行錯誤を続けながら、WordPress×Flickrの組み合わせで10年近く運用してきました。この度、ようやくスマートな運用を確立することができ、みなさんにご紹介できるレベルに達したと考え、WordPressでFlickrを使う理由と運用方法をご紹介したいと思い、この記事を書くことにしました。
今から、ブログをはじめようとされている方、画像管理でいい方法はないかな?とお悩み中の方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
Flickrの画像をブログで運用するのは、苦労の連続でした。ようやく快適に使う方法を整理できましたので、ご紹介しますね!!
画像データの保管場所にFlickrを使う理由
Flickrとは何か?
Flickrは米Yahoo!米SmugMugが運用する、写真共有サービスです。老舗中の老舗で一度や二度は耳にしたことがあるでしょう。(2018年4月20日買収が発表されました。)
InstagramやTwitterのサービスが始まる前から有名なサイトでありながら、残念ながら日本ではメジャーではありません。
理由は、ズバリ、日本語対応がされていないから。難しい英語はほとんどなく使い方も簡単なので英語でも問題ないのですが、米Yahoo!のアカウントが必要だったこともあり、日本人には低くないハードルがあります。
Flickrを使う理由
それでも私がFlickrを使う理由は、写真の処理技術の高さと、共有に対する寛容さです。写真の共有サービスは他にも複数あり私も利用していますが、10年利用しつづけ今でもナンバー1の座にあると感じています。
Flickrの素晴らしい点を箇条書きすると下の通りです。
- 無料アカウントでも1TBのストレージ容量
- 無料アカウントでもオリジナルサイズの写真を保管、いつでもダウンロードできる
- 画像のプレーンなHTMLコードを取得できる(ただし、Flickrのオリジナルページへのリンクは必須)
- 写真のリサイズ技術が優れている(サイズダウンしても写真がきれい)
- 複数のサイズの写真を同時に生成させている
1、2つ目ですが、Flickrは無料アカウントであっても全く問題無く活用できます。1TBとは1000GBです。レンタルサーバのように容量を気にすること無くバンバンオリジナル写真を掲載できます。オリジナル写真はいつでもダウンロードできるので安心してください。(他のサービスではダウンロードできなかったり、勝手に縮小されたりするところがほとんどです。)
ブログ記事からFlickrのページへリンクが貼られますが、ブログではリサイズされた写真を掲載し、詳細の大きな写真はFlickrで確認、という使い方が可能となります。
3つ目はブログで利用する上で重要な要素です。多くのサービスでは、シェア用のHTMLコードを取得できますが、(ブログ掲載には)余計な要素が付属していて、画像用として利用しにくいのです。Flickrでは、プレーンな写真だけを表示できるHTMLコードを取得できるのが、最大のメリットと言えるでしょう。
4、5つ目は写真の処理技術の話しです。ブログに掲載する写真は、表示用に640ピクセルなどに縮小しますが、自分で縮小するより明らかにきれいな仕上がりになります。文字ではうまく表現できませんが、仕上がりは明らかに差があります。これは他のサービスと比較しても不思議なほど差があり、技術の高さを感じます。また、ブログで必要とされるサイズ(640、500の他、上の写真の通り、複数サイズの画像を自動で生成してくれます。
要するに、Flickrは自分の写真のバックアップストレージとして利用可能です。種類や容量を気にすること無く、ダーっとアップロードしておけば、バックアップにもなるし、後からブログに利用する写真を選択するだけでOK。ということです。
ブログを書く流れがスマートになります。
ここまでご紹介した内容で、ブログを書いている方は既におーーっと気づかれているかも知れませんが、後に書くように、ブログ記事を書くまでのフローが簡略化されます。写真の煩雑な管理から解放されます。これだけでもFlickrを利用するメリットがあると言えるでしょう。
Flickrの不満点・不安点
ここまで、Flickrのいいことばかり言いましたが、不満点もたくさんあるのがFlickrのもう一つの顔です。今回は不安要素を踏まえた上で運用を検討しました。
- 外部サービスのため表示に速度がかかる場合がある
- サービスが終了するリスクがある
- HTMLコードの貼り付けができなくなるリスクがある
1点目ですが、Flickrは海外サービスのため当然サーバは海外にあります。このため運営しているWordPressのサーバが国内にある場合と比較すると、表示に時間がかかり、サイト全体のレスポンス低下の原因になることがあります。
2点目は、運営元の米Yahoo!の運営に若干の不安があります。このため、Flickrがリストラの対象になるリスクがあるのも事実です。ただ、個人的にはここまでメジャーなサービスなので、米Yahoo!が手放したとしても引受先がサービスを継続してくれるだろう、とは楽観視しています。
この記事を公開した時点で、米SmugMugに買収されていました。(関連記事)競合サービスである、SmugMugと統合されず、Flickrブランドは維持されるとのことです。Flickrブランドを易々手放す合理的な理由もないでしょう。内部的なインフラストラクチャーの統合によりスリム化&高機能化・サービスの向上を期待します。
3点目は、これまでもFlickrの仕様は何度か変更されています。今後も変更の可能性が高く、その都度、対応ができるようにしておきたいものです。
WordPressでFlickrを使う
WordPressでFlickrを使うとこうなる
WordPressでFlickrを使うと、ブログ記事に写真を掲載するまでの手順が簡略化されます。
これまで
- デジカメやスマホで撮影した写真データをPCに転送
- HDDの写真データから、ブログで使う写真を選択
- 写真データをブログ掲載用にリサイズ
- サーバに写真データをアップロード
- WordPressの記事編集画面で、写真のHTMLコードを挿入
- 記事を公開
こうなる
- デジカメやスマホで撮影したデータをFlickrにアップロード
- WordPressの記事編集画面で、ブログで使う写真を選択、写真のHTMLを挿入
- 記事を公開
手順が半分以下になります。写真データの管理に悩まされず、記事の文章執筆に集中できるようになります。
写真・画像はFlickrに集中させる
写真や画像はすべてFlickrへ集中させるようにしましょう。すべてFlickrにアップロードする習慣をつけておけば、大切な写真データのバックアップになるのはもちろん、いつでもすべての写真や画像を利用できます。いつでも執筆を始めらるメリットは計り知れません。
Wndows PC / Macの場合
ウェブブラウザからFlickrへ直接アップロードする方法がオーソドックスですが、そんな面倒なことは必要ありません。Flickr Uploadrを利用すれば、指定したフォルダに写真データを入れると自動でFlickrへアップロードされます。必須アプリです。
Androidスマホ / タブレットの場合
Flickrの公式アプリで写真データを自動でアップロードしてくれます。しかし、日本のPlay Storeでは配布されていません。配布されているAPKファイルを入手し、手動インストールすることになります。
インターネットで配布されているAPKファイルは、ウィルスに感染しているリスクも高いため、自己責任かつ十分な注意が必要となります。
以下のサイトで分かりやすく解説されているのでご紹介します。
https://shootingogi.net/10963/
iPhone / iPadの場合
日本では、Flickrの公式アプリは配布されていないため、Flickrへ効率良くアップロードしてくれるアプリを利用しましょう。
オススメは、Picport。分かりやすい操作に加え、写真が転送済みかどうかを一目で確認できる点が気に入っています。
Flickrの写真を記事に利用しよう
いよいよ、WordPressで文章を書くシーンでFlickrの写真を利用するシーンをご紹介します。
これまで幾度となく試行錯誤を繰り返してきましたが、出した結論は「WordPressのプラグインを使う」です。wp-flickr-pressプラグインを使うとWordPressのメディアと同じ感覚でFlickrの写真を利用できます。
https://ja.wordpress.org/plugins/wp-flickr-press/
初期設定が必要です。設定方法は以下のブログ記事が分かりやすく解説されているのでご紹介します。
http://okini.bookmarks.jp/wp5/?p=6207
wp-flickr-pressプラグインを使うメリットは以下です。
- 余計なJavascriptが混入されない
- 写真データが公開・非公開に関係なく利用できる
- AlbumsやTagなどでも検索、絞り込みできる
- 表示順を変更できる
APIを利用しているので、自分の写真データが非公開であっても使えるのはものすごく便利です。改ページの件数も制限なく、まさにFlickrをメディアライブラリと同じように使えます。
wp-flickr-pressプラグインを使えば、Flickrの写真や画像を簡単に記事本文中に挿入&HTMLコードの取得ができます。
ブログに掲載する画像は(自分のサーバに)ローカルに保存する
ブログを長年、運用していると最も恐れる事態が、Flickrのサービス終了です。写真の公開が中断されるとHTMLコードを貼り付けて使っていたブログ記事の画像は、写真が表示されなくなってしまいます。
せっかく、企業の影響を受けないようにと、独自ドメインを取得して自分でWordPressを運営しているのに、まったく意味をなしません。
この最悪の事態を避けるために、ブログに掲載している写真のみWordPressが稼働するサーバにローカル保存して待避させましょう。
ローカル保存するメリットは以下です。
- Flickrがサービス終了しても画像に影響はない
- 写真の表示速度がUPする
サーバのストレージ容量が使用されるので、Flickrを使った意味がないのでは?と思った方。確かにその通りですが、前述の通り、Flickrを使うメリットは他にもあり、ローカルへ画像保存はリスク回避であり、差し引いてもFlickrを利用するメリットは十分あると私は考えます。
万が一、Flickrのサービスが終了し他場合はFlickrの詳細ページへのリンクを一括で削除してしまえば、ブログ記事はそのまま影響なく継続させられます。
Flickrの画像をローカル保存するにはこらもプラグインを利用します。
External image replaceプラグインは、記事に書かれた、imgタグから、Flickrに限らず、外部サイトの画像を探しだし、ローカルに保存&メディアライブラリに登録してくれるという優れものです。ローカルへの保存は再々行う必要もなく、半年に一度程度実行すれば十分かな?と思います。
https://ja.wordpress.org/plugins/external-image-replace/
長年、この機能を有するプラグインを探していたのですが、ようやく見つけました。作者のむろさんには感謝の言葉しかありません。作ってくださって本当にありがとうございます!
さいごに
私は長年、WordPres+Flickrでブログを運営し、Flickrを愛用していますが、同時に長年、課題と感じていたHTMLコード取得問題と、ブログ記事に利用している写真ファイルのローカル保存化の両方を解決できたので、今回このように記事を公開する運びとなりました。
昔は、レンタルサーバのストレージ容量も少なかった事もあり、Flickrを写真置き場として利用する人も多かったですが、最近は少し減ったかもしれません。しかし、前述の通り、Flickrを利用するメリット、ストレージ容量だけでは無いんですよね。
これからもWordPressで、Flickrを使うことを激しくオススメしたいと思います。ブログを運営されている方はぜひ、参考にしてくださいね!!