

はじめに:LINEはもう「連絡手段」としては限界かもしれない
日本人の生活インフラとなっている「LINE」。
おそらく、スマホを持っているほとんどの人がインストールしているアプリでしょう。
しかし、最近LINEを開いてこう感じることはないでしょうか?
「使いにくい」「画面がごちゃごちゃしている」「通知がうるさい」と。
かつてシンプルだったコミュニケーションツールは、今や決済、ニュース、マンガ、ショート動画(VOOM)などが入り乱れる「巨大な広告プラットフォーム」へと変貌しました。
私はこれに見切りをつけ、家族や本当に親しい人とのメインの連絡手段を「Signal(シグナル)」というアプリに移行しました。
今回は、なぜ私がLINEと距離を置くようになったのか、そしてSignalに変えて何がどう快適になったのかをお話しします。
理由1:度を超えた多機能化とUIの悪化
私がLINEから離れた最大の理由は、アプリとしての「使い勝手の悪さ」です。
「連絡したいだけ」なのに、ノイズが多すぎる
本来、メッセージアプリは「相手に言葉を伝える」ことが主役のはずです。
しかし今のLINEは、ホーム画面を開いた瞬間から大量の情報が目に飛び込んできます。新機能の「VOOM」や、頼んでもいないニュース記事、Yahoo!との連携を促すポップアップ……。
「ホーム画面のぐちゃぐちゃさは、もう理解するのを諦めた」というのが正直な感想です。
私のLINEは「クーポン・ミニアプリ専用」になりました
現在、私のLINEの未読件数は1,000件を超えています。
もちろん、友人からの大切な連絡を無視したいわけではありません。しかし、公式アカウントからの通知や、興味のないニュース、広告の嵐にメッセージが埋もれてしまい、結果として気付くのが遅れたり、大事な連絡を見逃しそうになったりするのです。
ここまで通知が溜まると、もう一つ一つ確認して未読を消化しようという気力も湧きません。
そのため、今の私にとってLINEは、お店でクーポンをもらったり、便利な「LINEミニアプリ」を使うためだけの「サブツール」です。
連絡手段としてではなく、「お得に買い物をするためのアプリ」として割り切って使っています。
理由2:払拭できないセキュリティへの懸念
もう一つ、無視できないのがセキュリティの問題です。ここ数年、LINEのデータ管理に関するニュースが世間を騒がせてきました。
繰り返される問題と行政指導
記憶に新しいところでは、2021年に中国の委託先企業から日本のユーザー情報にアクセスできる状態だった問題が発覚しました。
さらに2023年から2024年にかけては、システム基盤を共有していたNAVER Cloud経由での不正アクセスにより、約52万件もの個人情報漏洩(の可能性含む)が発生。これを受け、総務省から二度にわたる異例の行政指導が行われています。
もちろん、企業として改善努力はされていると思います。しかし、「プライベートな会話」を預ける場所として、この不透明さを許容できるか?と考えた時、私の答えは「No」でした。
解決策としての「Signal(シグナル)」
そんな私がたどり着いたのが「Signal」です。
日本ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、世界的には「最も安全なメッセンジャー」として知られ、著名人やセキュリティ専門家も愛用しています。
ここで、私が感じているLINEとSignalの決定的な違いを表にまとめてみました。
| 項目 | LINE | Signal (シグナル) |
| 主な目的 | 総合プラットフォーム (決済・ニュース・マンガ等) | 純粋な連絡ツール (メッセージ・通話のみ) |
| 画面の印象 | 情報過多、広告が多い | シンプル、広告ゼロ |
| セキュリティ | 利便性重視 (過去に行政指導あり) | プライバシー最優先 (非営利・追跡なし) |
| スタンプ機能 | 購入がメイン | 自作ステッカーが無料・簡単 |
| 私の用途 | クーポン・ミニアプリ用 | 家族・友人との連絡用 |
圧倒的なシンプルさ
Signalには「広告」「ニュース」「タイムライン」といった機能は一切ありません。
あるのは「メッセージ」と「通話」だけ。
アプリを開けばすぐにトーク画面があり、誰とも競わなくていい静かな空間が広がっています。この「清々しさ」は、一度味わうと戻れません。
本物のプライバシー保護
Signalは非営利団体によって運営されており、広告収入に頼らないモデルです。つまり、ユーザーのデータを集めて広告を出す必要がありません。
また、通信は強力なエンドツーエンド暗号化(E2EE)で守られており、運営元ですら会話の内容を見ることはできません。
実際の移行ハードルと使い心地
「いいのは分かったけど、みんなLINEを使ってるし移行は無理でしょ?」
そう思う方も多いと思います。私もそうでした。しかし、意外とハードルは低かったです。
家族はすんなり移行できた
私の場合、70代後半の母以外の家族全員(妻、子どもたち)がSignalへの移行に成功しました。
導入のきっかけとして大きかったのが、「オリジナルステッカー作成」の楽しさです。
Signalでは、スマホに入っている写真やイラストを使って、誰でも簡単に独自のステッカー(LINEでいうスタンプ)セットが作れます。
家族の変顔やペットの写真、子どもが描いたイラストなどをステッカーにして、「了解」「ありがとう」と送り合う。これが面白くて、家族みんなが楽しみながら移行してくれました。
「新しいアプリを入れるの面倒くさい」という心理的な壁を、「自作ステッカーを送りたい!」という楽しさが超えてくれたのです。
マルチデバイスが優秀
私は仕事柄PCを使うことが多いのですが、Signalはデスクトップ版(PC版)やiPad版も非常に優秀です。
スマホの電源が切れていてもPCから返信できますし、動作も軽快。LINEよりも柔軟性が高く、この点でも非常に重宝しています。
通話品質について
気になる通話品質ですが、正直なところLINEと大差ありません。
IP電話特有の、電波が悪いと途切れやすいという欠点は同じです。ただ、回線状況が良い時は非常にクリアで、日常会話に全く支障はありません。
まとめ:大切な人との会話は、静かな場所で
もちろん、仕事の連絡や学校の連絡網など、LINEを使わざるを得ない場面はあります。私もLINEを完全に削除したわけではありません。
しかし、家族や本当に親しい友人など、「自分にとって大切な人」とのコミュニケーションは、広告のノイズがなく、セキュリティが担保されたSignalで行う。
そんな使い分けをしてみるだけで、日々のスマホストレスは驚くほど減ります。
未読1,000件の通知バッジに疲れ果てている方は、ぜひ一度、大切な人だけを誘ってSignalを試してみてください。


