昨年12月から携帯各社の新料金プランが相次いで発表されています。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクはこれまでの料金体系を見直しMVNO潰しとも言える料金プランを発表しました。3大キャリアはこれまでの慣例の通り横並びの料金プランとなっています。
- 大容量・・・キャリアのメインブランドのプランの値下げ
- 中容量・・・オンライン専用プランで20GBを軸に構成
- 小容量・・・サブブランド(ドコモ除く)で1GB?20GBをカバー
携帯業界は従来のキャリアはすでにKDDI陣営、ソフトバンク陣営にサブブランドとして統合されていこともあり、小容量のジャンルを担務させることで活用することにしました。ソフトバンクはMVNOのLINEもあったため中容量を担務させるなど、各キャリアはそれぞれの会社に役割を持たせる工夫(?)をした形です。
これまでは、大手キャリア・サブブランド・MVNOの棲み分けは、大手キャリアとサブブランドは通信回線の品質が高いが料金も高い。MVNOは通信回線の品質が低いので料金も低いといった差別化がなされていました。
昨今の大手キャリアの値下げの結果、大手キャリア・サブブランドの料金が全体的に下がったため、MVNOの料金の優位性が薄れました。こうなってしまうと回線品質が低いMVNOに勝ち目はありません。このためMVNO各社はさらなる値下げで対抗をしようとしています。
でも、ちょっと待ってください!!
MVNOに期待するのは価格だけなのでしょうか?
前述の通り、大手キャリアは新規組の楽天モバイルを除き、ドコモ、KDDI、ソフトバンクは、横並びの料金プランとなっています。MVNOにはここに攻め入る隙があるハズです。
MVNOには大手キャリアと同じ土俵で勝負するのではなく大手キャリアが手を出さない領域で戦うべきだと思うのです。今回はMVNOに期待する「あったら嬉しいプラン」を考えてみたいと思います。
通話とデータ通信の量と品質を自由に選択したい
間違いを恐れず言うならばMVNOに高速な快適な回線品質を期待していません。そこそこの通信品質を自分の利用シーンにあったプランを低価格で利用したい。これが私がMVNOに期待する考えです。
MVNOは大手キャリアのよう1000万回線を契約できることは考えていないと思いますしできないでしょう。そうであれば損益分岐点をきっちり見据えたニッチなプランを作るべきです。
以下は具体的にあったら嬉しい料金プランをご紹介します。料金に関しては利益を計算していないため適当ですが、MVNO各社にはきちっと収益を確保できる料金設定をしてもらいたいものです。
初期手数料は必要
初期手数料は必要と考えます。SIMの発送など費用は発生するためです。
- 初期事務手数料 3,000円
- 契約期間縛り なし
- 解約・MVNO手数料 なし
SIMの種類による価格設定
MVNO各社の新しい料金プランではSMS付と通話プランとの価格が数十円となってしまっていますが、差別化はしておいた方がいいと思います。
- データ専用 0円
- SMS付き +100円
- 通話プラン +500円
通話頻度によるプラン選択
通話プランを選択した場合、電話プランを選択できるのが理想です。また、完全話し放題は原価割れのリスクになるので準備は不要だと思います。必要な人は大手キャリアに任せれば良いと思います。
楽天モバイルが話し放題なのに勝ち目があるのか?という心配は今のところ、楽天モバイルは楽天Linkアプリでの通話が必須でスマホの標準電話アプリでは無料の対象となりません。問題なく戦えると思います。
- 完全時 従量制 0円 20円/30秒
- 30分付き +500円 追加は10円/30秒
- 60分付き +700円 追加は10秒/30円
データ通信量は速度を選択し追加購入をする
データ通信は速度別に料金を分けるといいと思います。高速通信にも上限を設ける事でオプション料金制にするなどきちんと儲かる仕組みを考えるのが重要だと思います。データ通信ではどれかのプランに契約が必要とします。
通信モードと上限速度
- 高速モード:速度キャップなし
- 中速モード:3Mbps
- 低速モード:500kbps
- 速度制限:128kbps(通信量を使い切った場合)
アプリでオプションの購入、それぞれモードの切り替えが可能、ブースト機能あり
モードと料金テーブル
高速モード | 中速モード | 低速モード | |
1GB | 500円 | 400円 | なし |
5GB | 800円 | 600円 | 300円 |
10GB | 1,000円 | 800円 | 500円 |
20GB | 1,200円 | 1,000円 | なし |
購入購入 | 250円/1GB | 200円/1GB | 200円/3GB |
試算してみた
データを思う存分使ってみたい(データ専用・低速10GB)
- 初期手数料 3,000円
- 低速モード10GB 500円/月額
- 足りなくなった場合、3GB追加ごとに200円
受信専用電話機(通話・低速5GB)
- 初期手数料 3,000円
- 通話プラン 500円/月額
- 低速モード5GB 300円/月額
- 合計 800円/月額
少し電話するけどライトな使い方(30分通話付き、中速5GB)
- 初期手数料 3,000円
- 通話プラン 500円/月額
- 30分付き 500円/月額
- 中速モード5GB 800円/月額
- 合計 1,800円/月額
がっつり電話もするしがっつりデータ通信(60分通話付き、高速20GB)
- 初期手数料 3,000円
- 通話プラン 500円/月額
- 60分付き 700円/月額
- 高速モード20GB 1,200円/月額
- 合計 2,400円/月額
真面目な従量制プランが理想的
各社の料金プランを見れば見るほど「考え抜かれているなぁ。」と感心します。あちらを立てればこちらが立たない。いくらシンプルなプランにしてもうまくそういったプランを出してくる各社。足りない部分を満たそうとするとオーバースペックのプランに加入が必要になり、その部分が利益となるわけです。
今のところ最強のプランは楽天モバイルでしょう。1GBまで無料、3GBまで980円、以降は2,980円。原価が発生するMVNO各社はこの0円や無制限のプランは実現不可能です。体力勝負となるのもいただけません。きちんと適正な利益を確保すべきです。
今回提示したプランは申し込みやプラン変更が頻繁に発生するためシステムの構築が面倒だと思いますが、料金設定をしておけば今後の仕入金額の情勢により単価や量を変更するだけでOKです。セット料金や繰り越し、シェアなどの方が複雑になります。MVNO各社のみなさん、ぜひ検討をいただきたいです!
正しくまじめな料金体系を。それが私が考える理想的な料金プランです。
みなさんが考える理想の料金体系とはどういったものですか?ぜひTwitterでご意見をくださいね。