7月28日にニンテンドー3DS LLが発売になるというこのタイミングに、ニンテンドー3DSを買いましたよ〜(^_^;)。いろいろな事情があって今買ったのですが、3DS LLは3DSより約4千円も高いですし、ね。
私は昔からガジェット好きでゲーム機というゲーム機はほとんど買ってきました。ファミリーコンピュータから始まり、ディスクシステム、PCエンジン、CD-ROM2、メガドライブにメガCD、スーパーファミコンにプレイステーション、ドリームキャストまで。
さらにはWii、PS2、PS3……。ポータブルもゲームボーイカラーにDS Lite、PSPと本当に買いあさっていますね、私(^_^;)。買っていないのは、Nintendo64と3DOとネオジオとゲームギア、PS Vitaくらいでしょうか?
“ゲーム機買ったよ自慢”はこのくらいにして、元々ゲームをあまりやらないんですよね、私(^_^;)。RPGなんかもクリアしたゲームは2、3本くらい。ゲームが好きではなくてゲーム機がすきなのかも。持っていたゲームもアドベンチャーやスポーツゲーム、アクションゲームがほとんどでした。
そんな私ですが、iPhoneに出会ってからはさらにゲームから疎遠になっていました。ここ数年は世の中も同じように携帯電話から火が付いたモバゲーやGREEといったソーシャルゲームが席巻しています。
「ゲーム専用機はもういらない。スマートフォンで充分」
このような意見を聞くことも増えました。ゲームをあまりやらない私もほぼ同感だったのですが、ニンテンドー3DSを買って、使ってみて、その気持ちに変化があったのも事実です。今後、Wii Uの発売も控え、「ゲーム専用機」の立ち位置をどう置くかが今後のゲーム業界の重要なポイントになりそうです。
そこで今回はポータブルタイプのゲーム専用機とスマホの違い、そして棲み分けについて考えたいと思います。
ゲーム専用機(ポータブル)のいいところ
まずはゲーム専用機がスマホより勝っている点から見ていきましょう。
1.物理ボタンがある
十字ボタンやアナログスティックに複数の物理ボタン。これはスマホには準備できません。俊敏な操作には物理ボタンは欠かせません。
2,強度がある
じつはこれも重要な要素。落としちゃったら壊れちゃうというひ弱なハードでは子どもが安心して使えないです。子どもは力一杯操作をするしガチャガチャ激しい操作もします。もちろん床に落としたり踏んづけたりもします。ゲーム専用機は当然、それらを想定して作られています。
3.ハードの仕様が統一されている
ゲームを作る側からすれば重要な要素です。Androidは画面サイズやOSのバージョン、ハードのスペックは無数にあります。ハードスペックを最大限に出したゲームを作ることや動作テストは事実上、不可能です。
一方、iPhoneはまだましで画面サイズは2種類のみ、機種も数種類のみですが、それでも数種類のデバッグが必要になり、ゲーム専用機よりテストの手間は増えます。
スマホのいいところ
続いてスマホがゲーム専用機より勝っている点です。
1.圧倒的なユーザー数
ゲーム専用機は「ゲームが好きな人の娯楽品」という面がどうしてもあります。一方、スマホは電話機と一体なので、電話機を持っている人=ユーザー数になり得ることになります。ユーザー数の差は歴然としています。
2.アプリの価格が安い
通常は市場が大きくなると単価が下がるという法則が働きますが、アプリ市場では若干違うようにも思います。ゲーム制作者側からすると歓迎すべきことでは無いかもしれませんが、スマホのアプリ単価は数百円がほとんど。ユーザーとしてはゲームを安く遊べるのはスマホのいいところ、と言えるでしょう。
3.オンライン販売のハードルの低さ
スマホは一般的にインターネット回線に接続されているため、気軽にアプリをダウンロードすることができます。またスマホユーザーにもその抵抗がほとんどなくハードルが低いと言えます。ゲーム専用機にもその機能がありますが、自宅にいんたーねっと環境があることが前提で、Wi-Fiの設定が必要です。さらには既存のゲームソフトの流通業者とのしがらみで大作ソフトがオンライン販売されることはまずありません。
ゲーム専用機(ポータブル)とスマホの競合する部分
スマホがあればゲーム専用機はいらない!という意見の裏側には両者の機能差が無くなってきたという事情があるでしょう。両者の競合する部分について見てみましょう。
- タッチパネル
- コンテンツのダウンロード購入
- 通信対戦
ゲーム専用機(ポータブル)が生き残るには?
そろそろまとめに入りたいと思います。
いろいろと書いてきましたが、スマホがあればゲーム専用機はいらないのか?という意見については「人それぞれ違う」というのが答えでは無いでしょうか?いわゆるユーザー層によって感じ方は違ってくるものだと思います。
ユーザー層にはおおざっぱに「ライトユーザー」と「ヘビーユーザー」があります。
ライトユーザーとは「ゲーム専用機を買ってまでゲームをしようとはしない人。」とここでは定義したいと思います。一方、ヘビーユーザーとは、「ゲーム専用機を買って楽しむ人」としたいと思います。子どもたちやゲーム好きな大人たちが対象となりますね。
それぞれのユーザー層に適したゲームを提供することができれば、ゲーム専用機とスマホの共存、棲み分けが可能だと思います。最後に具体的にどのような棲み分けができるのか?を考えてみたいと思います。
1.スマホでまずはライトユーザーを作れ!
圧倒的なユーザー数のスマートフォン。ライトユーザー以上にゲームをしない層の人たちも多くいます。まずはゲームの楽しさを感じてもらえるようなアプリをスマホに投入して、自社のファンを作るってはいかがでしょうか?まずはライトユーザーの分母を増やしましょう。
2.スマホでライトユーザーをヘビーユーザーに
つぎに第二ステップ。スマホでライトユーザーにゲームの面白さを実感してもらいます。しかしスマホではアプリの単価が安いため、単価の高い専用ゲーム機へ呼び込みたいところ。
専用ゲーム機でしかできないゲームへの呼び込みツールとしてアプリを投入してみてはいかがでしょうか?しかしここで注意が必要なのは「体験版」という中途半端なゲームでは無く完成形のゲームだけれど、そのデータやアイテムをそのまま使ってゲーム専用機のゲームでも遊べるといった工夫や仕掛け作りが大切だと思います。
3.ゲーム専用機でヘビーユーザーを満足できるクオリティの高いゲームを
最終目標のゲーム専用機へライトユーザーを呼び込むことが成功したら最終ステップ。専用ゲーム機でしか体験できないクオリティの高いゲーム体験ができるソフトを投入しましょう。
また、ステップ2で投入したアプリはゲーム専用機でも投入しておくのもいいかもしれません。相乗効果でゲーム専用機のソフトへ呼び込むことが可能になります。
最後に
スマートフォンの台頭でゲーム専用機の衰退を懸念する声が聞かれるようになった昨今ですが、現在のままでは既存のゲーム市場が専用ゲーム機からスマートフォンに流れるのは必至でしょう。間違い無く勢力図が変化している中、ゲームメーカーは如何に迅速にかつ柔軟に対応できるかがポイントなのだと思います。
スマホでしかできないことはスマホで、ゲーム機しかできないことはゲーム専用機で。うまく棲み分けをしつつ、新たなビジネスチャンスとも言えます。現在はハードメーカーの任天堂は自社のゲーム機にしかソフトを供給していませんが、囲い込みが限界の時期に来ていることは任天堂が一番認識しているのでは無いでしょうか?ぜひ任天堂やソニーにもスマホに参集をしてもらいたいものです。
今こそダイナミックな変化を求められると同時にさらにゲーム市場が広がるチャンスと言えるのでは無いでしょうか?今後のゲームメーカーの動向に注目したいと思います。