Mac OS X用日本語入力ソフト「かわせみ」が26日、物書堂から発売されました。
Mac OS Xでは日本語入力に「ことえり」が標準搭載されていますが、「シンプルで使いやすい」という意見もある一方、「漢字変換が弱い」といった意見も多いようです。
私はMac OS X10.6からMacを使ったので、某OSの標準IMEよりもよほど利口だと感じました。しかし文章を書くことが多い関係で、漢字変換効率は私の場合、作業時間に直結してしまいます。Windows時代に慣れ親しんだATOKをMacでも使いたい、と思うのは至極当然で、気付いたらATOK2009 for Macを買っていました。
ATOKを購入した理由は、大きなところ、「ことえり」の能力に不満を感じた、というよりも「慣れ」が大きかったというのも事実。Windowsに慣れ親しんだ操作、変換の癖が体に染みついている、といっても過言ではないと思います。
とは言え、Macに登場した、日本語入力ソフトの対抗馬、かわせみ。30日体験版が登場していたので早速ダウンロードして使ってみました。
今回リリースされた「かわせみ」の機能は以下の通り。
入力
* 入力方法:ローマ字/かな
* 入力モード:ひらがな/カタカナ/全角英字/半角カタカナ/半角英字/英字/文字コード
* プライベートモード
* 候補ウインドウ:スクロールタイプ/横タイプ変換
* 類義語変換
* 和英変換
* 関連文字変換
* アドレス帳変換(アドレスブックのみ)
* 確定履歴変換
* スマート履歴変換
* スマート・インライン変換
* 確定文字列の再変換
* かな・英数キー2度押し入力補正
* ローマ字入力補正:母音の過不足/子音の超過/Nの過不足
* かな入力補正:濁点と半濁点の押し間違え/シフトキーの押し忘れ
* 英字直後での補正:句点をピリオドに/読点をカンマに/長音をハイフンに/中点をスラッシュに/連続入力で補正解除
* 読み表記の補正:「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」を補正/長音を母音に補正/「う」と「お」を補正入力制限
* 使用漢字制限:小学校1年生?6年生/常用漢字/新聞漢字表
* 確定時の制限
o コード:JIS X 0208/JIS X 0213
o グリフID:Adobe Japn 1-3(Std書体)/Adobe Japn 1-4(Pro書体)
o カタカナ:全角に制限
o 英字/数字/括弧/記号:全角に制限/半角に制限変換辞書
* メイン辞書 :約27万語
* メイン再変換辞書 :約26万語
* 人名地名辞書 :約30万語
* 人名地名再変換辞書:約28万語
* 医学辞書 :約15万語
* 医学再変換辞書 :約15万語
* 新語辞書 :約1万3千語
* 新語再変換辞書 :約1万1千語
* 郵便番号辞書 :約17万語(2009年8月31日版)
* 顔マーク辞書 :約1千語環境移行
* テンプレート
o ATOK風タイプ
o EGBRIDGE11タイプ
o MS-IMEタイプ
o ことえりタイプ
o 標準タイプ単語登録/削除ツール
* ユーザ辞書への単語登録
* ユーザ辞書からの単語検索/削除辞書管理ツール
* ユーザ辞書の編集:追加/編集/削除/検索
* 新規ユーザ辞書、新規専門語辞書の作成
* 他社製辞書およびテキストのユーザ辞書への読み込み
* ユーザ辞書のテキスト書き出し
* ユーザ辞書の修復キー割当編集ツール
* テンプレートファイル:標準タイプ/EGBRIDGE11タイプ/ATOK風タイプ/MS-IMEタイプ/emacsタイプ
* ショートカットキーの追加/編集/削除ローマ字ルール編集ツール
* テンプレートファイル:標準タイプ/EGBRIDGE11タイプ/ATOK風タイプ/MS-IMEタイプ/AZIKタイプ
* ローマ字ルールの追加/変更/削除文字パレット
* 複合検索
* 部首
* 分類
* コード表:ユニコード/X0213 面句点/Shift JIS(Mac)/CID(Adobe Japan 1)
* 文字情報
* 関連文字
* フォントバリエーション住所パレット
* 2009年8月31日時点でのデータを搭載
* 検索範囲:各都道府県ごと
* 送出設定:〒マーク/ハイフン/区切り文字/末尾文字/都道府県名の省略
かわせみ機能一覧 | Mac | 物書堂
何といっても、「動作が軽快」が売りなのが魅力的です。しばらくATOKをOFFにしてかわせみを使ってみましたが、正直な感想はやはりATOKの方が変換効率が高かったといえます。
ATOKは前後の文章の関係を読み取り、正しい漢字を導き出しているようです。一方、かわせみは、日本語の英語の混在した文章の入力がうまく制御できなかったです。日本語入力モードをOffにてから英文を入力すればなんら問題ないので、これも慣れの問題かな?
いくつか(?)という点もありますが、1ライセンスを1,995円(税込)、3ライセンスのファミリーパックを 3,990円(税込)とリーズナブル。ことえりに不満を持たれているかたは、一度体験版を試してみてはいかがですか?
さて、最後に、「かわせみは軽い」と再途上にアピールされているので、メモリ消費量を見てみました。
- ATOK 54MB
- ことえり 44MB
- かわせみ 14MB
公式サイトに誇大表現はなかったことを確認できたといえるでしょう。今、まさにこの現行もこちえりで変換しつつ書き上げています。まだ登場したばかりの「かわせみ」。今後の展開に注目したいと思います。