Windows7がついに発売になりました。前バージョンのVistaと違い概ね好意的に受け止められている今回の7。好調な滑り出しとなったようです。
ただ、現在の評価が逆に良すぎて気持ち悪いと感じるのは考え過ぎかな?正直なところ、ユーザーも企業IT管理者も、「もう、いい加減、WindowsXPを引退させたい。」と考えているのだと思います。
WindowsXPが優れたOSかというと、発売当時はXPも重たい。と叩かれていました。それがSP1、SP2と改良(?)が加えられ、やっとまともに使えるOSになったというレベルなのです。それが、またVistaで不安定で振り回されるのは勘弁して欲しい、ましてやWindowsXPが軽快で動作する、パソコンでもVistaでは重くて使えない、という点がさらにVistaのバッシングが強まった要因だと思います。
それから約3年。Windows7が軽量になった、と言われますがチューニングはされているだろうけども、根本的な部分は変わっていない、というのが私の印象です。カーネルのバージョンが6.1と言う点でも容易に想像できます。
Vistaの次期バージョンは当初、カーネルのバージョン7を作る予定でしたが、Vistaの評価が散々だったため、早急に時期バージョンを発売しなければいけなくなり、しかも悪評名高い「Vista」の冠をおろさなければいけない……。「7」の名前が既に広まっていたため、致し方なく「7」の名前を使い「クライアント向けの7番目のメジャーバージョンアップだから」と訳の分からない説明になっています。
製品名の中の7は、Windows 1.0 / Windows 2.0 / Windows 3.x / 4.x (95, 98, 98 SE, Me) / 5.x (Windows 2000, Windows XP) / 6.0 (Windows Vista) に続く7番目のクライアント向けのメジャーリリースであることに由来している[11]。ただしバージョンは6.1と表記されており、Windows NTとしての「バージョン7」では無い。マイクロソフトのWindows開発チームからもWindows 7はWindows Vistaを基に改良したカーネルが使用されており、新規開発は行われていないことが明らかにされている[12]。リリースの状況としては、Windows 2000(バージョン5.0 開発期間4年)のマイナー・アップデートであったWindows XP(バージョン5.1 開発期間1年)と相似形をなしている。
Microsoft Windows 7 – Wikipedia
それがなぜ、全体的に好意的に受け止められているのでしょうか。大きく3つの要因があると思います。
- この3年間でハードの性能が向上した
- そろそろWindowsXPとおさらばしたい
- 本当に軽くて素晴らしいOS
一つ目は、Vistaが発売された2006年から3年が経過しており、パソコンの性能も向上しています。これは7にとって非常に有利な点です。この時点で新製品は「軽い」と感じるでしょう。
パソコンメーカーもVista発売時はコスト削減のためかギリギリのスペックで発売したパソコンも多くあり不振でパソコン販売が奮わず痛い目にあったので、今回は相応のスペックで発売しています。
二つ目はユーザーもメーカーもそして企業のIT管理者も、メディアもみんな「そろそろXPをやめよう」と思っているに違いありません。Vistaは重たく鈍くさいOSでしたが、便利な機能やセキュリティ向上が図られていました。それが評価されず、「重い」をアピールしすぎて結局はみんなで潰してしまった、と言えます。今回は「暖かくみよう」となぜか暗黙の了解のようなものがあるような気がします。
三つ目は本当に素晴らしいOSだから、この評価になっているのかもしれません。ベータ版を触った限りでは、いろんな工夫はされているけれども、メジャーバージョンアップというレベルほどの差は感じられなかったと思うのですが、製品版では素晴らしいOSに仕上がっているのかもしれません!(少々皮肉が入ってますね(^_^;))
何はともあれ順調な滑り出しを見せた、Windows7ですがマイクロソフトのやり方にはやっぱり納得がいきません。今回はメジャーバージョンアップだと言いますが、そのアピールの方法が「Vistaより○○も良くなりました!」といった内容がとても多い。
これはマイクロソフト自信でVistaの欠陥を認めているようなもので、それならば、Vistaユーザーへ何らかの補償はすべきではないかと思うのです。本来ならVistaSP3として無償公開してもいいのは?と思うほどです。
しかし、名称を変えたい、という事情もあったことをくみ取っても、Vistaユーザーにはもっと安価なバージョンアップ制度を準備すべきだったし、これまでの複雑なエディションバージョンもやめて、分かりやすい体制にすべきだったと思います。
ライセンスキーを入力したらOSのグレードをUPできる。なんて利用者をバカにしているとしか言いようがありません。使えない機能のプログラムをHDDの一部分を占有しているのですから……。
マイクロソフトはVistaの失敗の原因を分析して必死に改善を図ったと思いますが、反省をしていないし、営業戦略を変える気はないようです。圧倒的なシェアを持った企業だからできる戦略だと言えます。
Windows7はこれまでお話ししたようないろんな要因から、SP1を出た頃から浸透していくだろうと予想しています。マイクロソフトはパソコンが売れればOSが売れるんだから、無理にメジャーバージョンアップを繰り返すのでは無く、基本機能をしっかり固め末永く使えるOSの開発を目指して欲しいと思います。
近い将来、ブラウザさえあればOSは何だってOK、クラウドコンピューティングの時代がやってきます。その時にマイクロソフトがどのような戦略をとるのか?想像も付きませんがこのままであれば、取り返しが付かない事になるのは容易に想像できます……。
Windows7の販売状況よりも、今後マイクロソフトがどのように変わるかを注目したいと思います。