メモアプリは競争が多いジャンルのアプリのひとつですが、何と言ってもOS X、iOSの標準メモアプリは、シンプルでありながら安定度はピカイチです。
iCloud経由でMac、iPhone、iPad間で同じメモを使うことができるのです。しかも同期操作は不要でユーザーは意識することなく、いつでもどこでも同じメモを使えます。……のはずでしたが、使えば使うほど何だか気持ち悪いことが増えてきます。
標準メモアプリを普段から使っている方は言わずとするところをお分かりいただけると思いますが、純正メモ帳だから信頼がおけると思っていたのですが、違っていました。
今回はiCloudの同期に関する挙動を詳しく調べてみました。気になっていた方は参考にしてみてくださいね。
気持ち悪い挙動とは?
何となく使ってきた標準メモアプリ。iCloudを経由してMac、iPhone、iPadのメモデータにシームレスに同期します。
そんな便利な標準メモアプリですが、しばらく使っていると次の気になる点が出てきました。
- すぐに同期する時とすぐに同期しないときがある?
- 気づいたら同じ内容のメモが2つできているときがある?(片方は古い内容)
- Macのメモアプリは頻繁に「アップデート中…….」が出る
どうですか?みなさんも思い当たることはありませんか? 詳しく調べてみました。
実際の挙動を確認してみた
何だか気持ち悪い理由のひとつに、Mac、iPhone、iPadでボタンの位置が違うことが分かりました。調べると、この少しの違いが機能の差となり、挙動の差となっていることが分かりました。
iPhone画面
作成したメモをiCloudに同期するタイミング
- 「<メモ」を押す
- 「完了」を押す
- 数十秒単位
iCloudのメモを同期するタイミング
- アプリを起動したとき
- 数十秒単位
iPad画面
作成したメモをiCloudに同期するタイミング
- 「シェア」を押す
- 「新規作成」を押す
- 数十秒単位
※「メモ」を押してもすぐに同期されません。
iCloudのメモを同期するタイミング
- アプリを起動したとき
- 数十秒単位
作成したメモをiCloudに同期するタイミング
- 「新規作成」を押す
- 他のメモを開く
- 数十秒単位
iCloudのメモを同期するタイミング
- 即時
※iCloud側からプッシュしている?
排他制御について
もうひとつ気になっていた点が排他制御について。iPhone、iPad、Macで同時に同じメモを開き、同時に編集をしたときの挙動です。
このポイントは同期のタイミングがポイントになっています。上述の通り、MacだけがほぼリアルタイムでiCloudにデータを同期しにいっています。
iPhone、iPadとほぼ同じ動きなのでMacとの動きを考えてみると……
- 「iPhoneで編集」→「Macですぐに反映」
- 「Macで編集」→「iPhoneには反映しない」
- (iPhoneに同期前に)「iPhoneで編集」→「Macですぐに反映」
- iPhoneに「2」のメモが同期され残る
残骸のメモが残ることがありますが、これは、Macで編集したメモをiPhoneに反映する前にiPhoneでメモを編集してしまったから、Macのメモが残ったいうこのようです。
これはスッキリしました。
結果のまとめ
いつでもどこでも同じメモ帳の内容を使えるのは最大の特徴で、便利な機能であるのは間違いはありませんが、なぜかわからないけれど気持ちが悪い、モヤモヤだった部分がようやく分かったような気がします。まとめると次の通り。
ここがウーンな点
- 手動で同期ができない
- Macは同期を取る頻度が多い
- 排他制御がイマイチ
個人的には、手動で同期はしたいです。いつ同期したか?が分からないと気持ちが悪いんですよね……。また編集中でも数十秒ごとに同期するのは(Macだと数秒ごと)バッテリー消耗も気になるところ。
「おまかせであるが故の自由度の低さ」とでもいうのでしょうか? AT車は運転は簡単だけどMT車のようにキビキビ運転ができない。と言った感じです。
何気なく使っていて何気なくデータが同期していたけれど、すぐに使いたい時に、まだ同期されていなかったり、ちょっと複雑な使い方をするとデータが重複してしまったりしていたのは、今回の調べてみて分かったことが原因だったようです。
このような標準メモの動き、特性を理解しつつ使うと、確実に、より便利に使えるようになると思います。今回の調査がお一人の方でも参考になると幸いです。