

2026年2月12日、ドコモが展開する家電レンタル・サブスクサービス「kikito(キキト)」のサービス終了が発表されました。 「買う前に試せる」というコンセプトで、最新のルンバやVRゴーグルを借りていたユーザーも多いはずです。
なぜドコモは撤退するのか? そして、この手のサービスは一体どこで儲けているのか? 今回は、kikito終了のニュースを切り口に、「ガジェットレンタルの全貌」と「今後の選択肢」について深掘りします。
1. kikito終了のスケジュールと現状
まずは事実関係の整理から。ドコモの撤退スケジュールはかなりタイトです。
- 新規レンタル受付終了: 2026年3月12日(木)午後3時
- サービス完全終了: 2026年6月18日(木)
これから「春休みにGoProを借りたい」と思っていた方は、3月12日までに予約を完了させる必要があります。
今借りている人は「買取」すべき?
kikitoにはレンタル中の商品をそのまま購入できるオプションがありますが、基本的にはおすすめしません。 買取価格は「定価ベース」で計算されるため、Amazonの実売価格(新品)よりも高くなるケースが大半だからです。
「愛着がある個体」以外は、返却して新品を買い直すのが賢明です。
2. なぜドコモは撤退したのか?(ビジネスの難しさ)
kikitoはdポイントが使えるなど利便性は高かったものの、約5年で幕を下ろすことになりました。
撤退の背景には、経営資源の「選択と集中」があると考えられます。 通信や決済などのデジタル領域を本業とするドコモにとって、物理的な在庫管理や検品・クリーニングを伴うレンタル事業は、コスト構造や業務フローが全く異なります。 餅は餅屋と言うように、専業他社ほどの効率化を図るのが難しかったのかもしれません。
- 在庫リスク: スマホや家電は1年で型落ちし、価値が激減する。
- メンテナンス: 返却されたルンバの掃除、カメラのセンサークリーニング、動作確認。これらをドコモ品質で維持するのは莫大なコストがかかります。
3. ガジェットレンタルの「マネタイズ」の仕組み
では、このビジネスモデル自体がオワコンなのか? というと、そうではありません。 最大手のRentio(レンティオ)などは成長を続けています。 彼らは一体どこで利益を出しているのでしょうか? そのカラクリは大きく2つあります。


① 回転率と「そのまま購入」の黄金パターン
レンタル料だけで元を取るには時間がかかります。一番の収益源は、ユーザーが商品を気に入って「そのまま購入(買取り)」してくれることです。 これにより、業者は以下のコストを一気にカットできます。
- 返送の送料:0円
- クリーニング代:0円
- 在庫保管コスト:0円
販売価格は定価に近いため、利益率が非常に高いのです。
② メーカーとの「提携」と「在庫預託」
実は、レンタル会社はメーカーにとって「最強の試供品配布所」です。 Rentioなどの大手は、メーカーから「販売促進」のパートナーとして認定されており、以下のような特別な契約を結んでいるケースがあります。
- 在庫預託(コンサイグメント): レンタル会社が在庫を買い取るのではなく、メーカーが「在庫を預ける」仕組み。レンタル会社は仕入れコストを抑えられ、メーカーは眠っている在庫を「試供品」として活用できます。
- 公認キャンペーン: 新製品の発売時に、メーカー公認で「お試しキャンペーン」を行うことがあります。これはメーカーが広告予算を出しているため、ユーザーは格安で借りることができます。
つまり、単なる貸し借りではなく、「メーカー公式の有料試用サービス」として機能しているからこそ、利益が出る構造になっているのです。
4. kikito難民の「次の行き先」は?
kikitoがなくなっても、「買う前に試したい」というニーズはなくなりません。 代替サービスとして有力なのは以下の3つです。
① Rentio(レンティオ):実質的な後継者
kikitoの完全上位互換と言えるのがここです。
- 特徴: 在庫数No.1、メーカー公式提携多数。
- 強み: ほとんどのジャンルを網羅。「そのまま購入」の仕組みも同じ。
- kikitoとの違い: dポイントは直接使えないが、Amazon Pay経由で利用可能。
② Alice.style(アリススタイル):美容・生活家電
ドライヤーや美顔器など、女性向けアイテムに強いサービスです。kikitoで美容家電を借りていた方はこちらがマッチします。
③ GOOPASS(グーパス):カメラ特化
「月額定額で機材を入れ替え放題」という、カメラ好きのためのサブスクリプションです。レンズ沼にハマっている人はこちらへ。
まとめ
kikitoの終了は残念ですが、ガジェットレンタル市場自体は、「所有から利用へ」という時代の流れに乗り、むしろ拡大しています。
ドコモの撤退は、通信事業への回帰とも言えます。 これからは、物流と在庫管理を極めた専業サービス(Rentioなど)が、メーカーとタッグを組んで「新しい家電の買い方」を提案していくことになるでしょう。
まずは3月12日の「kikitoラストオーダー」を逃さないようにチェックしてみてください。


