

1. はじめに:Bitlyからの卒業
長年、ブログやSNSでのシェア用に短縮URLサービス「Bitly」を愛用してきました。独自ドメイン(サブドメイン j.hitoxu.com)を紐付けて運用してきましたが、最近の無料プランの仕様変更により、運用を見直すことにしました。
運用が厳しくなった理由
特に影響が大きかったのが以下の2点です。
| 変更点 | 具体的な影響 |
| 独自ドメイン制限 | 無料プランでは j.hitoxu.com が使えず bit.ly を強制されるようになった |
| 待機時間の発生 | リンククリック時に「Bitlyの広告/警告」が数秒間表示されることがある |
読者の方をお待たせしてしまうのは避けたいところです。
回避策として有料プランへのアップグレードがありますが、年払いで月額10〜12ドル(年間約2万円)程度のプランもありつつ、単月契約だと月額35ドル(約5,500円)かかります。URL転送サービスだけにこの維持費は少し悩みどころです。
そこで、既存のレンタルサーバー(Xserver)で動くオープンソースの短縮URLシステム「YOURLS」への完全移行を決意しました。


2. データを救出せよ
移行の最大の課題は「過去のデータ(13,307件)」の移行です。無料プランのままでは、全データのエクスポートに制限がありました。
一時的な課金で解決
私が取った戦略は、「移行のための必要経費」と割り切って1ヶ月だけ課金することです。
- 月額プラン($35)に契約
- 即座に全データをCSVでエクスポート
- データ確保後、すぐに解約
これで、2010年4月以降、約15年の資産である「いつ、どの記事をシェアしたか」という全記録を手元に取り戻しました。


3. 自鯖運用の仕組み
移行先は、すでに契約していた**Xserver(スタンダードプラン)**です。ここにOSSの「YOURLS」をインストールしました。追加のサーバー費用はかかりません。
DNS切り替えの魔法
独自ドメイン(サブドメイン)で運用していたことが、最大の勝因でした。


j.hitoxu.com の向き先(DNS)をBitlyからXserverに変えるだけで、URLの文字列を変えずにシステムだけを入れ替えることが可能です。


4. Pythonでデータ整形
Bitlyから吐き出されたCSVは、そのままではYOURLSに取り込めませんでした。「http/httpsの混在」や「重複データ」が含まれていたためです。
設計思想の違いを吸収
実はBitlyとYOURLSでは、URL生成の考え方が少し違います。
| 特徴 | Bitly | YOURLS (今回の設定) |
| URL生成 | 重複を許容 (同じ記事でもシェアするたびに違うURLを発行) | 重複させない (同じ記事なら過去のURLを再利用) |
| 目的 | トラッキング・詳細分析重視 | 管理のしやすさ・エコ運用重視 |
Pythonスクリプトを作成し、データのクリーニングと名寄せを行い、SQLでデータベースに流し込みました。
結果、13,307件のデータを無事に移行完了。リンク切れも起こしていません。


5. こだわりの設定
短縮URLの形式は、https://j.hitoxu.com/abcとなりますが、abcの部分が短縮URLの肝です。Bitlyではサービス開始当初、無料でも自由に設定できましたが、その後、有料サービスとなりました。6~7桁の英数字で構成されています。
自由にURLを決められるのはもちろんですが、運用設定にも、少し工夫を凝らしました。
設定:3文字ランダム
- 形式: 62進数(英大文字・小文字・数字)
- 桁数: 3桁
- 収容数: $62^3 = 238,328$ 通り
「ランダム生成だと、データが埋まってきた時に空き番を探すのに時間がかかるのでは?」と心配しましたが、計算してみると杞憂でした。
仮に8割(約20万件)埋まったとしても、コンピュータなら一瞬(平均6回程度の再試行)で空きを見つけられます。今のペースなら、あと数百年は3桁のままで運用可能です。
6. PCもスマホも爆速連携
自前サーバーになった最大のメリットは、API制限を気にせずツールを使い放題なことです。PCとスマホ、それぞれの「最適解」を用意しました。
PC:ブックマークレットで一発
PC(Chromeなど)では、自作のブックマークレットを活用しています。 ブラウザのブックマークバーに登録したボタンを押すだけで、現在見ているページの「タイトル」と「URL」を自動取得し、API経由で瞬時に短縮URLを生成してくれます。
- 手順: 記事を見る → ブックマークレットをクリック → 生成完了
- メリット: いちいち管理画面にログインする手間がゼロになる。
スマホ:Android連携(HTTP Shortcuts)
スマホ(Android)では、アプリ 「HTTP Shortcuts」 を導入し、Chromeの「共有」メニューから呼び出せるようにしました。
- ブラウザで「共有」をタップ
- 自作ショートカットを選択
- API経由で短縮URL生成 → クリップボードにコピー
これで、PCでもスマホでも、Bitly時代より快適な「数秒でのシェア」が可能になりました。


7. まとめ
今回の移行で、以下の環境が整いました。
- コスト: 月額0円(既存サーバー利用)
- 資産: 過去のリンクを全て維持
- 安心感: プラットフォームの変更に左右されない
「たかが短縮URL」ですが、長くブログを書いている身にとっては大切な資産です。
多少の手間はかかりましたが、企業のプラットフォームに依存しない「自給自足」の環境は、何にも代えがたい安心感があります。
Bitlyの仕様変更にお悩みの方でXserverなどをお持ちの方は、「YOURLS」への移行、検討してみる価値はあると思います。





