

2025年12月25日、楽天モバイルの契約数がついに1,000万回線を突破しました。
この急成長の背景にあるのが、「データ使い放題で月額2,980円(税抜)」という圧倒的な価格設定であることは疑いようがありません。
大手キャリアと比較しても、この価格と「最強プラン」というパッケージは、企業努力として非常に高く評価できるものです。家計を助けるインフラとして、間違いなく選択肢の筆頭に入るでしょう。
しかし、その恩恵を最大限に受けるために必須となる通話アプリ「Rakuten Link」には、日常的な使用において看過できない課題があります。今回は電波状況ではなく、アプリのUI(ユーザーインターフェース)と品質に焦点を当て、Androidユーザーの視点から評価を行います。
「電話アプリ」としての使い勝手を阻害する情報過多
電話をかけるためにアプリを起動した際、最初に感じるのは「情報のノイズ」です。
本来の目的を妨げるタブ構成
本来、通話アプリは「連絡を取る」という単一の目的のために存在します。しかし、Rakuten Linkのホーム画面には、ニュース、ウォレット、ミッション(ポイ活)といった、通話とは無関係なタブが並び、視覚的な動線を妨げています。
これらは楽天経済圏への誘導としては機能しているかもしれませんが、電話をかけたい瞬間のユーザーにとっては、目的のボタンを探すための阻害要因でしかありません。
【改善提案】シンプルモードの実装を
多機能化自体は否定しませんが、緊急時や急いでいる時にスムーズに発信できるよう、通話機能だけに特化した「シンプルモード」の実装や、不要なタブを非表示にできるカスタマイズ機能を要望します。
ユーザー体験よりも優先される「広告」の配置
次に指摘したいのが、アプリ内の広告配置です。これには、楽天市場などで見られる「ユーザーの利便性よりも広告露出を優先する」という、いわゆる「楽天らしさ」を強く感じます。
操作の流れを断ち切る広告表示
実際に電話番号を入力するダイヤル画面や、メッセージのやり取りを行う個別のトーク画面には広告が表示されない点は、最低限の配慮として評価できます。
しかし、そこへ辿り着く前の一覧画面でポップアップ広告に阻まれたり、通話が終わった瞬間に広告が出たりするのは、スムーズな利用を著しく妨げる仕様だと言わざるを得ません。
具体的に、どの場面でストレスを感じるかを以下の表にまとめました。
| 画面・タイミング | 広告表示 | ストレス度 | 備考 |
| ホーム・一覧画面 | あり | ★★★ | 常時表示に加え、操作中に突然のポップアップが表示され、操作を阻害する。 |
| 通話終了直後 | あり | ★★★ | 通話が終わった瞬間に画面全体に広告が表示される仕様が非常に煩わしい。 |
| ダイヤル・通話中 | なし | – | 誤タップ防止のためか、ここは最低限の配慮がされている。 |
| トーク(個別) | なし | – | メッセージ入力自体は阻害されない。 |
「無料だから」で済ませてはいけない
「通話料が無料なのだから、広告くらい我慢すべき」という意見もあるかもしれません。しかし、私たちは決して無料でサービスを使っているわけではなく、毎月の通信料金を支払って契約しています。Rakuten Linkはその有料サービスの中に含まれる重要な機能の一つです。
低価格なプランを維持するために広告収益を活用するビジネスモデル自体には、一定の理解を示したいと思います。しかし、それはあくまで「使いやすさ」が担保された上での話です。生活の基本動作である「通話」の前後に、操作を遮るような形で広告を配置するのは、UX(ユーザー体験)の観点から見て適切とは言えません。
【改善提案】ユーザビリティを損なわない広告配置へ
突然のポップアップや通話終了後の全画面広告の廃止、操作エリアと広告エリアの明確な分離など、ユーザーへの配慮がある形での広告配置への見直しが必要です。
通話品質:IP電話の限界と実用性の壁
最後に、通話品質についてです。
Rakuten LinkはRCS(Rich Communication Services)を用いたデータ通信による通話を行っているため、技術的な特性上、通常の電話回線より品質が劣る傾向にあります。
日常利用で感じるストレス
実体験として以下の現象が頻発しています。
- 会話の途中で音声がブツブツと途切れる。
- LINE通話やSignalなどの他社アプリと比較しても、音声のクリアさや安定性に欠ける。
「途中で切れるかもしれない」という不安を持ちながらの通話は、心理的なストレスとなります。ビジネス用途はもちろん、家族との日常会話においても、現状の品質には改善の余地が大きく残されています。
まとめ
楽天モバイルの「最強プラン」は、価格面では文句なしに魅力的です。
だからこそ、その入り口となるRakuten Linkアプリの「使いにくさ」が、サービス全体の評価を下げてしまっている現状は非常にもったいないと言えます。
ユーザーは「安さ」だけでなく、「快適さ」も求めています。
1,000万回線という基盤を築いた今だからこそ、アプリのUIを整理し、広告のあり方を見直し、通話品質を底上げする。そういった「質の向上」への投資を期待したいと思います。


