最近のスマートフォンはイヤホンジャックが非搭載のモデルが増えてきました。薄さを実現したり、防水性能を高めるためには物理的な接点は極力少なくしたい、というメーカーの事情も分りますし、故障のリスクと利用頻度を考えると仕方無いと思います。
この波はサイズ的に余裕があるタブレットにも波及しておりiPad Proの2018年モデルから非搭載となりました。そういう私も普段はBluetoothイヤホンを愛用しており有線イヤホン、有線ヘッドホンはほぼデスクトップパソコンでたまに使う、という程度です。
それでも今でも有線イヤホンを使う理由は、無線イヤホンと比べて「遅延がほぼない」点と「音質の高さ」です。腰を据えて音楽を聴きたいときは有線。という方も多いのではないでしょうか。
SIMGOTさんから「SIMGOT EM2」(12,800円)のレビューのご依頼をいただき、3月、4月とデスクトップPCで使い込みました。その感想をご紹介します。
結論を先に言うならば「耳に優しい高品質で自然な音が普通になる。」という感想です。特徴がある音を出すイヤホンは数多くありますが、”自然な音”は意外とありそうでありません。そんな音を自然に楽しめるようになるのが、このイヤホン、EM2だと思います。
開封の儀
SIMGOTの有線イヤホン、EM2です。
背面。ブラックのパッケージでシックです。
EM2の技術スペックが記述されています。10mmダイナミック型ドライバが1基搭載されています。
特徴は何と言ってもhi-resオーディオに対応している点。
側面にはデザインイメージが書かれています。
箱から取り出すと・・・。不死鳥のようなものがデザインされた高級感があるパッケージです。
開封すると、イヤホンの心臓部、ハウジングと収納ケースが出てきました。
SIMGOTのロゴ入りケースは高級感があります。
イヤホンのハウジングのみ収納されています。このように収納されているイヤホンを初めて見ました。高級感があるのと他のイヤホンとの差別化、こだわりを感じます。
内容物はイヤホンハウジング、ケーブル、保証書・マニュアル関係、ケース(中にイヤーピース)となっています。
イヤホンのハウジングとケーブルは自分で取り付けます。ケーブルが切断したり傷んだ場合、ケーブルを別で準備することで交換できるのは新しいですね。
耳への取り付け方。くるりんぱ。ですね。
ケーブルは編み目が入っていて強度もありそう。
ここまで中国語と英語のみでしたが、まさかのここに来て日本語の注意書きが。商品登録をすることで三ヶ月間保保証期間を延長できるようです。
ケーブル先端は耳にフィットするようにカールがかかっています。
イヤホンジャック端子。SIMGOTのロゴか可愛いです。
QRコードをスキャンして保証登録しておきましょう。
グローバル保証カード&VIPサービスカードということです。カードは保管しておきましょう。
イヤホンのハウジングはスケルトンで高級感が半端ありません。
イヤーピースを取り付ける部分の大きさは他のイヤホンに比べ大きいですね。ダイナミックな音を輩出してくれるのを期待します。
ケースにイヤーピースが収納されています。
使用目的にあわせて2種類のイヤーピースが用意されています。一つ目がパワフルでクリアな音楽を楽しみたい場合、二つ目は自然な音を楽しみたい場合。大きさはそれぞれ、LMSの3種類準備されています。
マニュアルは英語または中国語で記載されています。日本語はありません。
イヤホンのハウジングとケーブルを接続するために、左と右を確認する必要があるのですが、とにかく表記が小さすぎます!!アップで撮影してなんとか見えるレベルで、しかもクリアに白文字なのでさらに見づらいです。これは改善が必要でしょう。
ケーブル側も見にくいです。(ピンとがズレてしまっています。すみません。)
イヤホンのハウジングとケーブルを無事に取り付けられました。一度、取り付けるともう外すことはなさそうです。
イヤーピースは左側がパワフルな音楽を楽しみたい場合で、右側が自然な音楽を楽しみたい場合に利用します。左の方が穴が大きくダイレクトに音を楽しめるようになっています。
一般的なイヤホンではここまで大きな穴は開いていないので、あえて穴の大きい方のイヤーピースを装着してみました。これでMサイズです。
イヤホンのケーブルは編み目で耐久性がありそうです。二ヶ月間、ほぼ毎日利用しましたが、はじめと変わりがないように思います。
ただ、このケーブル、編み目なのが逆に絡まりやすく解きにくいというデメリットがありました。耳元でカールしているのもまた、引っかかりやすい原因になっています。
このようにケースにイヤホンをきちんと収納できるので、保管や持ち運びのときに便利ですね。
以上、開封の儀でした。
SIMGOT EM2 を実際に使ってみた
SIMGOT EM2の音質は?
1万円を超えるけれども15,000円までのイヤホンのEM2。高品質イヤホンではありますが超高級とまではいきません。この価格帯が意味するもの。それはコスパの高さだと私は思います。
5,000円以下のイヤホンよりも高品質な部品を利用しているため、高品質な音楽が楽しめるのはもちろんのこと、2万円以上もする高級イヤホンにも優にも劣らない音楽を楽しめると思います。
実際に聴いた感想は、カナル型イヤホンでは音が籠もりがちですが、EM2では、特に高音から中音までがクリアに透き通った、突き抜けた気持ちがいい音が出ます。それでいて軽すぎるスカスカな音ではありません。
一方で中低音はしっかり音が表現できていますが、迫力に欠けると感じました。女性ボーカルの音楽やクラシックなどの音楽は聴きやすく、ロックやポップスは若干物足りなさを感じました。
長期間使うことで物足りなさも感じなくなり、それが自然な音と感じられるようになりました。冒頭に書いた、「耳に優しい高品質で自然な音が普通になる。」という表現がまさにピッタリだと思います。
SIMGOT EM2 の使いやすさは?
有線イヤホンなので機器への物理的な接続が必要で、ケーブルが邪魔になる場合もあります。これはEM2に限ったことではありませんが。
EM2に特化した部分でいうと、編み目のケーブルが絡まりやすいです。一般的なイヤホンは材質はゴムが多いですが、絡まりやすく解きにくいと感じる事がありました。
イヤホンの左右に関しても目で確認するのはかなり困難です。(前述の通り文字が小さく、色も同化している)少し使うと耳に取り付ける部分の形状で左右が分るようになりますが、改善の検討の余地はあると感じました。
有線イヤホンなので当然ですが使用中に音が途切れることはなく、音の遅延もなく音楽を楽しむのにはやはり有線はいいな、と感じました。
SIMGOT EM2 のここがGood!
- 高品質で自然な音を楽しめる
- 有線なので音の途切れや遅延がほぼない
- 本体に高級感があってコスパが高い
高級感があるイヤホンで所有欲を満たしてくれつつ、高品質な音楽をもきちっと提供をしてくれる、コスパの高いイヤホンだと思います。
SIMGOT EM2 のここがうーん
- 編み目のケーブルが絡まりやすい
- 左右の文字が見づらい
高級感がある一方で使いづらさがあるのも事実です。ケーブルが絡まりやすいのは編み目のイヤホンが少ない理由なのかもしれませんね。
さいごに
2ヶ月間利用して、使えば使うほど耳に馴染むなぁ。と感じました。これも尖りすぎた音質ではなく自然なチューニングが功を奏していると思います。価格も1万円ちょっとと高級なイヤホンの入口として何とか手が届く価格だと思います。
有線イヤホンをお探しの方は、まずはこの製品を検討されてはどうかと思います。気になる方はチェックしてください。