2012年7月19日に発売になった楽天の電子書籍端末「kobo Touch」。私もついに買っちゃいました。2011年10月20日に発売のSONYの電子書籍端末「Reader Wi-Fiモデル PRS-T1」も持っている私。実際に使ってみて感じた差をご紹介したいと思います。
スペックでは出てこない差なので、どっちがいいんだろう?と検討中の方はぜひ参考にしていただければ幸いです。またあくまで私個人の感想ですので利用環境や用途によって評価や感じ方に違いが出ることも多いにありえますので、その辺りをご理解いただいた上でお読みいただけると幸いです。
その1:スペックの差は?
PC Onlineの記事の表が一番分かりやすかったので引用させていただきました。表の通り、スペック上では画面の大きさ、解像度などに大きな差はありません。ほぼ互角と行っていいのではないでしょうか?
ちなみに、今回は電子書籍端末としての比較なので“スペック差”とは表現しませんでしたが、SONY Readerは音楽再生機能が付属しています。この機能が必須という方はReaderのみ選択肢となるでしょう。
その2:お値段の差は?
スペック上ほとんど差が無いとなると気になるのがお値段です。音楽再生機能の有無はあるものの、kobo Touchが実売7,980円、Sony Reader PRS-T1が実売16,000円前後となっています。実に約2倍の価格差にもなります。
その3:電子書籍の数は?
7月27日のITmediaの記事から引用させていただくと……、Reader Storeは3万6464点、koboイーブックストアは1万9789点。さらにこのうち無料作品は1万2536点を占めています。(日本語意外の総点数は257万点を超えているようですが……。)
この数字だけで見ると現状はReader Storeの圧勝ですが、Readerストアの貯蔵点数でも多いとはとても言えない数字です。
東洋経済の三木谷社長のインタビュー記事では「7月中には3万点をそろえられるし、8月末には6万点、今年末に20万点までいく。」と語っています。この数字をみなさんよく覚えておきましょう(^_^;)。今回は楽天の本気度を感じるのでこの数字が実現できたらなば、日本の電子書籍市場もようやく離陸するのでは?と期待してしまいます。
その4:本体の使用感は?管理ソフトの使用感は?
さて、ここからはあくまで私の使ってみた所感なのでご了承おきを。
速度は?
kobo TouchとSONY Reader PRS-T1の画面展開や操作後の挙動などの速さは差は感じられません。ほぼ同じですね。ちなみに、iPhoneやAndroidのスマホユーザーだと、そのもたつきにイライラすると思います。(どちらの機種ともに)
ページ送りはE Inkの書き換えの仕様で、一瞬真っ黒になるのですが、koboは1〜6ページで全書き換えのタイミングを設定できます。Readerは毎ページ真っ黒に反転する様子はもたつきを感じる要因だと思います。
koboは書き換えるタイミングまでは全体が黒くならずにサクサクページが切り替わります。この点はkoboの動きの方が快適です。ただし前ページの残像が残るので1〜6ページで適宜変更しましょう。
文字の読みやすさは?
文字フォントが複数入っているkoboに対し、1つのReader。koboもReaderもデフォルトのフォントは線が細くかすれた感じになるのが残念で、気になる点です。
さらにkonoはフォントを自由にインストールでき、自分の好みのフォントを設定できるのがメリットが大きいです。文字フォントの大きさの段階もkoboが14段階と細かく設定できますし、文字の読みやすさは圧倒的にkoboが勝っています。
また、画面の白い部分の色ですがkoboの方が白いように感じました。日光の下で読んだときも本ほど眩しくはなくくっきりとクリアに読めました。もちろんReaderも日光の下でも問題無く読めますよ〜。
文字の表示量は?
電子書籍の設定や文字フォントの設定で変わるため一概には言えませんが、Readerは周りの余白が多いのが気になっていました。一方の、koboは周りの余白が少なめに設定されています。上の写真は同じ電子書籍ではありませんが、koboの方が表示量は多いです。
管理ソフトはどちらもイマイチ
kobo、ReaderのどちらもWindowsPCやMacに専用管理ソフトを入れて、電子書籍と本体の管理を行うのですが、どちらも使いにくいです。まだまだ発展途上といった感じでしょうか。
将来的には管理ソフトを使わず、本体だけですべてができるようになって初めて一般の家庭に普及していくのだろうと思います。
その5:自炊したJPEGの表示差は?
koboはスキャニングしたJPEGファイルをZIP圧縮した後に拡張子をcbzに変更すればOK。するぷさんのサイトがわかりやすく解説してくれています。
一方のReaderはZIP形式のままでOKです。手順がひとつ少なく済むので嬉しいですね。
Readerは画面下部にページ数が表示されているため、全体的に縮小表示されてしまっています。ページは非表示にできないのが惜しいです。
またどちらも実際のコミック本より小さいため、吹き出しの文字は小くて読みづらい時もあります。この点はどちらも同じ感じですね。ページの濃淡の設定がどちらもできないのですができるといいな〜。
総合的にReaderがちょっとだけ小さめに表示されますがほとんど差はありませんでした。
最後に
新しいモノ好きな私。ReaderがWi-Fiを搭載して購入し、楽天が発売したkoboも値段が安く楽天の本気を感じたため購入してみました。スマホで本を読むという習慣がかなり定着しつつある中、E Inkの電子書籍リーダーの需要があるのもまた事実です。
とは言え、期待したReader、kobo両機種ですが「まだ慌てて買う必要は無い」というのが正直な感想です。
まだまだ電子書籍の所蔵数は少なく現時点で読みたい本はほぼ無いでしょう。Reader、kobo、そしてAmazonの参入した後、所蔵数が充実してから買っても遅くないと思います。またその頃にはフォーマットやストアも淘汰・整理されリーダー本体も熟れてくるでしょう。
一方で、自炊ユーザーはJPEG化→ZIP圧縮してmicroSDカードに入れておけばいつでもどこでもお気に入りのマンガや本を見ることができるんです。これはメリットや魅力が大きいと思います。すでにファイルをたくさん持っている方は、安価なkoboを買っても損は無いと思います。
今後発売が予定されているAmazonのKindleが出そろってから日本の電子書籍市場は本格的な競争が始まるのかもしれません。今後も目が離せませんね〜!!