私は、2003年から2009年6月まで約5年半、「超」整理手帳を愛用していました。それまでの手帳はもちろん、システム手帳を使っていてもどうもしっくりこなかった私が、初めて「これだ!」と感じたのが、「超」整理手帳でした。
「超」整理手帳は、あの「超」整理法の著者、野口悠紀夫教授が考案した手帳。最大8週間の予定を見渡せる蛇腹式のスケジュールシート、A4版の紙を4つ折りにすればすっぽり入ってしまうカンガルーポケット。この2つのアイデアだけでこれまでにない柔軟性の高い手帳になったのです。
見た目は決して、スタイリッシュとは言えない手帳ですが、作りがシンプルなだけに使う側のアイデア次第でどんどんその形が変わるのがまた面白いのです。使った人だけが味わえるこの心地よさは、私の文章力ではとても表現できません。詳しくは、公式ホームページをご覧いただければ幸いです。
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前置きが長くなってしまいました。すみません。
そんな「超」整理手帳ユーザーに嬉しいニュースが。なんとiPad版アプリ、『「超」整理手帳 for the iPad』が12月5日に発売されました。発売記念で通常1,700円が1,200円で販売中です!!
2009年6月にiPhone 3GSを購入したタイミングで、思い切って乗り換えた私としては、待ちに待ったアプリ版の登場………なんですが、いきなり厳しいことを言わせていただくと、荒削りな部分が非常に目立つ!というのがファーストインプレッションです。
今回は、単刀直入に「画面紹介」と「Goodな点」と「うーんな点」の3点に絞ってご紹介をしたいと思います。このアプリは5年半、「超」整理手帳を愛用してきたユーザーとしての意見としてかなりの思い込みがある、という点はどうぞご容赦のほどよろしくお願いします……。
「超」整理手帳 for the iPad の画面紹介
実際にアプリの画面をご覧いただきましょう。これが起動画面です。カレンダーアプリとして基本的な機能はしっかりと網羅されています。それではカレンダーの肝とも言える予定表の見え方からご覧いただきましょう。
2週縦
2週横
8週縦
8週横
16週縦
16週横
次に予定の入力・編集画面をご覧いただきましょう。
予定入力・編集、縦
予定入力・編集、横
日をダブルタップすると、詳細画面が表示されます。右側にあるのがToDoです。この画面以外に表示されずまた、アプリ独自なのでメモ程度の扱いになるでしょうか。
週表示画面で、予定をタップすればポップウィンドウで詳細内容が表示されます。また週の先頭の空欄部分には週ごとにメモが書けます。(この画面ではブランクです。)これもアプリ独自なのでメモ程度かな。
アプリ内にはメモ帳がありますが、1枚だけなので付箋紙のような使い方を想定しているのでしょうか。
電卓もアプリ内にあります。iOS4.2になる前だと嬉しかったかも。シンプルな電卓です。
年間カレンダーもあります。これは意外と重宝します。
「超」整理手帳 for the iPad のここがGood!
- Google カレンダー 連携
- 2週・8週・16週の予定を一度に見られる
現時点の仕様ではこの2点に尽きると言えるでしょう。本家の「超」整理手帳では実現が不可能だった、Google Calendarとの連携。PCで予定の入力や確認ができるのはもちろんのこと、他のアプリからの乗り換え組の取り込みも容易になるでしょうしその逆で、入力したデータが無駄にならない、という安心感は大きいでしょう。
また、2週・8週・16週を一気に見渡せるのは他のカレンダーアプリには無い最大の特徴と言えるでしょう。特に16週にいたっては、本家の「超」整理手帳を超える一覧性を実現しています。
繰り返し予定の入力がしやすかったり、入力した予定、場所の履歴が残るなどスケジューラとしての基本設計部分はしっかりとしていると言えるでしょう。
「超」整理手帳 for the iPad のここがうーん
正直いって、「うーん」な部分がたくさんあります(^_^;)。「荒削りな部分が目立つ」と冒頭に言ったのはそのためです。以下は、バージョン1.0.0での内容です。恐らくすぐにこれからの問題は今後、すぐに解消されることでしょう!
設定
- Google Apps アカウントに未対応
- フォント設定画面があるが「ヒラギノ明朝ProN」しか表示されない
カレンダー
- 2週以外、8週、16週では文字が読めない(デザイン次第では見えるようできそう)
- 時間がFromしか表示されない。Toも表示できるように
- 1日に7件以上の予定があると一覧画面では表示されない(7件以上あることが分かる矢印が表示)
- 日詳細画面でも一定件数以上はスクロールになる
予定入力
- 予定を入力したあとカレンダーに反映しない時がある(データはちゃんと保存されているが)
- 横の画面で入力しにくい(縦幅が小さくて)
- 終日の予定で2日間を設定して2日目が反映されない
- 入力後、キーボードが消えずに予定が見えなくなる時がある
かなり致命的なバグもあるでしょう?(^_^;)。このような不具合は早急に解消されると思うのですが、個人的には「Google Apps未対応」なのが厳しいです。会社でGoogle Appsを使っている企業も増えてきているでしょうし、ぜひ対応していただきたいところです。
予定の入力画面ではポップウィンドウが表示されるのですが、これがまた入力しづらいんです。(他のカレンダーアプリでも同様のものが多いですが。)From Toの時間を入力するときにFromとToそれぞれタップをして時間のダイヤログを表示、設定するのですが、一度に両方表示しておけばいいのでは?と思います。
終日の予定入力では致命的な不具合がいくつかありますし、入力後、カレンダーに予定が反映されないという不具合もあったり。さらにはキーボードが消えない時もあったり……。ほんとちゃんとデバッグしてます?(^_^;)。
カレンダーの仕様についても改善して欲しい点があります。特に横表示では2週表示以外ではほぼ文字の認識は不可能です。解像度の問題ももちろんありますが、フォントサイズであったりデザインを工夫すればもう少し見やすくできるのでは無いかと思います。さらに2週などの表示の際、前後の週がグレーアウトしているのも意味不明です。2週表示であっても別に2.5週くらい見えていてもいいのでは無いでしょうか?
1日の予定が6件までしか一度に表示されないのも不便。7件以上でも縮小して表示してくれたら嬉しいのに。と私は思います。一覧性が肝なんですよね、「超」整理手帳って。そういう意味では手書きで直接書き込めたり、アイコンを置けるようになると、本家「超」整理手帳の使い安さをiPad上に再現できると思います。
また、日をタップすると詳細ウィンドウが表示されますが、同一画面にピロッと画面遷移をしないで表示させることはできなかったのでしょうか?ここでもある一定件数以上になると日の中でスクロールになりますが、詳細画面なんだからスクロールせずに全件表示して欲しいです。
年間カレンダーも1年だけではなくて3年、5年、10年と切り替えられても面白いでしょうね〜。こうやって書き出してみると基本思想というか基本設計はいいと思うのですが、作り込みがまだまだ、というように感じます。
あと、iPhone版ではなく、いきなりiPad版だったという点も実に惜しいです。恐らくA4版を基準に考えられた「超」整理手帳だから、iPhoneでは一覧性がなくなるから、という事なのだと思いますが、それこそ、ピッチイン・ピッチアウトで8週・16週のスケジュールをムギューっと伸ばしたり縮めたりして見られたら最高に使いやすいだろうな、と思ったりします。
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何だかいろいろ好き勝手に書いてしまいましたが、今後、ますますブラッシュアップされていくであろう、「超」整理手帳 for the iPadに期待しています!!講談社さん!期待していますよ〜!!