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「安物買いの銭失い」のもう一つの意味

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「安物買いの銭失い」とは大辞林では以下のように書かれています。

値段の安いものはそれだけ質も悪く長持ちしないから、かえって高いものにつく。
Yahoo!辞書 – 安物買いの銭失い

私は家電製品や衣料品など長く使うものは、安いものは極力買わないようにしています。後で後悔するのなら少しぐらいなら高いものを買うこともあります。

安い!と思って飛びついて買ったけれども、すぐにダメになったり飽きてしまったり。結局は少し高くても長持ちして得になる。というのは皆さんもこれまでの人生で何度も経験されているのではないでしょうか。

「安物買いの銭失い」とはよくいったものでまさにその通りだと思います。しかし、最近、この言葉にはもうひとつの意味が隠されているのは?と思うようになりました。

それは……。

最近はジーパンの値下げ競争や、液晶テレビの価格破壊、ボジョレー・ヌーヴォーまでも値段の叩き合いになっています。消費者に取ってこれほど嬉しい競争は無い。大変助かる。とついつい思ってしまうのですが、実は喜んでばかりいられない現実があるのです。

価格が安いには安い理由があるわけで、海外製造の輸入品なのは当然でしょうし、原材料や部品にまでも日本製が使われていないことが多いでしょう。製造メーカーも日本企業でないかもしれません。

つまり安いと思って買ったけれども、そのお金が日本企業に行かなければ、その商品を作っている日本企業の収入はゼロになるわけで、設備投資が減って人件費が減って、雇用も減ります。国民の購買力が低くなるものだから、さらに値段下げ競争に拍車がかかる……。いわゆるデフレスパイラルですね。

一時的な価格の安さを求めすぎていると、直接自分に影響はなくても、回り回って結局は自分自身にそのツケが回ってくるのだと思います。国民みんなが一消費者でありながら一会社人なのです。「安物買いの銭失い」は「安物ばかり買っていると回り回って「銭」を失うことになるよ。」という意味も含んでいる、と考えられませんか?

今のデフレスパイラルは、ただ単に安さだけを求める消費者にも責任があると思います。安さが悪という単純なものでは無いのは重々承知ですが、今のデフレは異常ですね……。この悪循環を絶つにはどのような方法があるのでしょうか?

自身を完全に無くしてしまっている日本人……。ここに最大の問題と課題があるように思います。私もバブル崩壊後に社会人になっているのでイケイケドンドンの日本を残念ながら(?)知りません。景気が上向き、給料が上がるという状況にならなければ、この状況から脱却するのは難しいでしょうね……。まずは一人一人の意識を変え、「安物買いの銭失い」を意識しながら買い物をするしか無いかもしれませんね。

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