コーヒーの値段ってほとんどが場所代な訳で、一等地だと400円、500円は当たり前……。というのはほんの10年ほど前までの話。大阪市内でも350円が平均で、梅田・なんばでは400円以上の喫茶店も多かったのですが、ふと街を見回してみると200円台が当たり前になってしまいました。「コーヒー代=場所代」の方程式はどこに行ったのでしょうか。
これは言うまでもなく、ドトールコーヒーやスターバックスを始めとする、いわゆる「カフェ」が価格破壊を起こしたのは間違いのない事実です。田舎ものだった私が初めてドトールコーヒーに入ったときの衝撃を今でも鮮明に覚えています(^_^;)。「コーヒーが180円なんやんで!」と興奮したものです(^_^;)。低価格でありながらもそれまでの喫茶店でもドトールでもない満足感が味わえるスターバックスも人気を集めました。
そしてトドメは、マクドナルドの100円コーヒー。「プレミアムローストコーヒー」という高級チックな名前なのに100円。味もそこそこ悪くない、という理由でヒットしたのは数年前。
これでコーヒーの相場は一気に崩れました。街には200円台のカフェが乱立し、どっかで見たことがあるようなカフェの看板ばかりになってしまいました。ファーストフードでは100円台が常識となり、慣れというのは怖いもので、もはや「300円以上のコーヒーは高い。」という印象を持つようになってしまいました。
しかし、そんな状況の中、周りを見渡してみると、実は400円、500円のコーヒーのお店があるのです。珈琲館や英國屋などがそれで決して安くないお値段。コーヒーが格別美味しいかといえば、美味しいに決まってるけどもそれにしてもやっぱり高い。
実は、このようなお店って非常に大切なんですよね。「コーヒーをゆっくりと飲みたい」という場合、どこに行きますか?お客さんや大切な人と入る時にどこに入りますか?
普段、ホッと一息として飲むコーヒーは、カフェやファーストフードのコーヒーで何ら問題無いのですが、「どうしてもコーヒーを飲む場所を確保しなければならない。」という状況になることがあります。こんな時に、カフェやファーストフードをのぞいてみると、レジには長蛇の列……。あなたはこの列に並びますか?こんな時には、少し高くても確実に座れるコーヒー店を利用するのが賢明と言えるでしょう。
今、このような二極化が進んでいますが、カフェやファーストフードでは、回転数で勝負、場所代を稼ぎだすために、いわゆる薄利多売。一方の老舗(?)の頑張っているコーヒー店はコーヒーをゆっくりと飲む時間と場所を提供してくれるのです。
そう考えると、やっぱり今も昔もコーヒー代は場所代なんだな?と、先日、RyoAnnaさんと入った喫茶店で今更ですがふと思ったのでした(^_^;)。