不要になったメルマガを解除しようとしたとき、メールソフト(GmailやSpark)の便利な場所に「登録解除」ボタンが出るものと、出ないものがあります。
「大手企業なら当然対応しているだろう」と思って、イオンやしまうまプリントのメールを見てみたら……ない。 結局、メールの一番下までスクロールして、小さなリンクを探す羽目になりました。
なぜこんなことになっているのか? 調べてみると、そこには「日本の法律」と「Googleの新しいルール」、そして私たちユーザーの「気持ち悪さ」の問題がありました。
1. 日本の法律は「本文にリンクがあればOK」
まず、日本の「特定電子メール法」では、以下のように決まっています。
- ルール: メールの本文内(通常は一番下)に、配信停止ができるリンクや連絡先を書くこと。
- 現状: ほとんどの企業はこれを守っています。だから、一番下までスクロールすれば必ず解除リンクはあります。
つまり、ヘッダーにボタンがなくても、法律上は全く問題ありません。
2. Googleは「ワンクリック解除」を義務化(2024年〜)
しかし、GmailやYahoo!などのプラットフォーマーは、もっと厳しいルールを課し始めました。 特に2024年2月から、1日5,000通以上送る送信者に対し、「ワンクリックでの登録解除(ヘッダーへのボタン表示)」を技術的に義務付けたのです。
- 理想: メールを開いて、上のボタンをポチッと押すだけで解除完了。
- 目的: ユーザーを守るため、解除を簡単にする。
3. なぜ大手企業ほど対応していない?
本来ならGoogleの言う通りにするべきですが、実際には多くの日本企業が追いついていません。理由は「システム改修の大変さ」にあります。
「ボタンを表示させるだけ」に見えますが、裏側では「ボタンが押された瞬間、自動的にデータベースを書き換えて配信を止める」という高度な連携が必要です。
会員数が数千万人いるような巨大企業ほど、昔から使っている古いシステム(レガシーシステム)が複雑に絡み合っており、ここをいじって「ワンクリック解除」に対応させるには、莫大なコストと時間がかかるため、すぐには動けないのが実情のようです。
4. 最大のストレスは「ログインの壁」
そして、私たちが一番うんざりするのが、リンクをクリックした後に「ログイン」を求めてくるサイトです。
「もう読みたくない」と思っているサービスですから、当然パスワードなんて覚えていません。 パスワードリセットをしてまで解除するのは面倒だし、かといって放置すると「自分の情報が残ったまま」というデジタル上のゾンビ状態になり、なんとも言えない「気持ち悪さ」が残ります。
- 法律: ログインさせても違法ではない。
- Google: 推奨しない(ワンクリックですませろ)。
- ユーザー: パスワードを忘れて放置 → 最終的に「迷惑メール報告」ボタンを押す。
企業としては「間違って解除されたくない」「引き留めたい」という思いがあるのでしょうが、結果的にユーザーに「迷惑メール報告(スパム扱い)」という核ボタンを押させてしまい、自社のドメイン評価を下げる自爆行為になりつつあります。
まとめ
- 法律: 守られている(下のリンク)。
- Googleのルール: まだ浸透中(上のボタン)。
- ユーザーの本音: ログインさせないで!
今はまさに過渡期。 しばらくは、「大手だから安心」ではなく「大手だからこそシステムが古くて対応が遅い」という現象が続きそうです。 この「気持ち悪さ」から解放される(ワンクリック解除が当たり前になる)日が、一日も早く来てほしいものです。
