Linuxの心臓部である「Linuxカーネル」が、次回のメジャーアップデートで「7.0」へと移行することが決定しました。 一般的なソフトウェアとは少し異なる、Linuxカーネル特有のユニークなナンバリングのルールと、歴代バージョンの変遷について整理します。
目次
1. なぜメジャーバージョンが「7.0」に上がるのか?
一般的なソフトウェアでは、中身を根本的に作り直すような大刷新があった際にメジャーバージョン(一番左の数字)を上げますが、現在のLinuxカーネルのルールは少し異なります。
開発のトップであるリーナス・トーバルズ氏による「マイナーバージョン(6.〇の部分)が20前後に増えて、手足の指で数え切れなくなってきたら、キリが良いから一番上の数字を上げる」という、独自の(心理的な区切りとしての)ルールが採用されています。 そのため、今回の「7.0」への移行も、古いシステムとの互換性がなくなるような破壊的な変更ではなく、これまで通りの堅実な進化の延長線上にあります。
2. 歴代バージョンの歴史と最終版リスト
Linuxの歴史の中で、バージョン番号の付け方のルールは何度か大きな転換を迎えています。黎明期の1.xから現在の6.xに至るまでの流れは以下の通りです。
- バージョン 1.x シリーズ (1994年〜1996年)
- 最終:1.2系(開発版 1.3.100)
- 記念すべき最初のシリーズ。機能も少なく、開発スピードが非常に早い時代でした。
- バージョン 2.x シリーズ (1996年〜2011年)
- 最終:2.6.39
- 驚異の15年間も続いた長寿シリーズです。当時は「真ん中の数字が偶数なら安定版、奇数なら開発版」という複雑なルールがありました。特に「2.6」は長く続き、マイナーアップデートだけで39まで到達しました。
- バージョン 3.x シリーズ (2011年〜2015年)
- 最終:3.19
- ここから現在の「手足の指で数えられないほど数字が大きくなったらリセットする(20前後で次へ行く)」というルールが始まりました。
- バージョン 4.x シリーズ (2015年〜2018年)
- 最終:4.20
- バージョン 5.x シリーズ (2019年〜2022年)
- 最終:5.19
- バージョン 6.x シリーズ (2022年〜2026年)
- 最終:6.19(現在の最新シリーズ)
まとめ
歴代のリストを振り返ると、2.x時代のような長期間にわたる不規則なナンバリングから脱却し、3.x以降は「マイナーバージョンが19か20に達すると、約3〜4年の周期で次のメジャーバージョンに上がる」という、非常に規則正しく美しいペースで開発が進んでいることが分かります。 今回テストが始まった「7.0」も、順調にいけば各ディストリビューションに順次取り込まれ、世界中のシステムをさらに快適に支えていくことになります。
