ニュースを見ていたら、「A列車で行こう9」が2026年6月にSwitch2で発売されるという記事が目に留まりました。 ファンの間では「ついに家庭用機で9が動くのか」という驚きの声が上がっています。
それにしても、PC版の発売は2010年。Windows 7の時代から16年も経っているのに、なぜ「10」ではなく「9」なのか。 そして、すでにあるSwitch版とは何が違うのか。気になったので掘り下げてみました。
1. 「A列車」には2つの系統がある
まず混乱しやすいのが、「SwitchにはすでにA列車(はじまる観光計画)があるじゃないか」という点です。 実はこのシリーズ、ターゲットによって明確に作り分けられています。
- 【箱庭系】 はじまる観光計画(Switch/Mobile)
- 特徴: キャラクターが登場し、経営や街づくりを楽しむ「ゲーム」。
- 見た目: 車両はデフォルメ(数両編成)、マップは狭め。
- 理由: 旧Switchのスペックに合わせるため、処理を軽くする必要があった。
- 【リアル系】 A列車で行こう9(PC版 → 今回のSwitch2版)
- 特徴: キャラ不在。ひたすらダイヤと街を構築する「シミュレーター」。
- 見た目: 車両はリアル等身(フル編成)、マップは広大(10km四方)。
- 理由: 膨大な計算能力が必要で、これまでの家庭用機では動かせなかった。
つまり今回のニュースは、「マシンスペックの壁でPCにしか存在できなかった『真のリアル版』が、Switch2のパワーでついに降りてくる」 ということを意味しています。
2. なぜいつまでも「9」なのか?
「さっさと10を出せ」という声も聞かれますが、開発側にとっては「9」がすでに完成された「基本OS」のような存在になっています。
PC版のユーザーは、16年間ずっと同じソフトを使い続けています。 古くなったら買い換えるのではなく、数年おきに発売される「有料の拡張キット」を追加インストールして、機能を継ぎ足してきたのです。
- Version 1.0 (2010): 初期版。
- Version 2.0 〜 5.0: 拡張キットで機能追加(建物や車両が増える)。
今回のSwitch2版は、この積み上げられた「Version 5.0 Final」までの機能を、最初から全部入りにした決定版になると思われます。
3. Switch2の「スペック」と「コントローラー」
PCゲーマーが驚いているのは、「あの重いA9が動くのか?」と「操作はどうするんだ?」という2点です。 ここにはSwitch2ならではの技術的進化が関係しています。
① PC並みの演算能力(メモリとCPU)
A列車9は、広大なマップと何千人もの乗客シミュレーションを行うため、グラフィック以上に「メモリ」と「CPU」を酷使します。 Switch2で「10km四方のマップ」や「フル編成の過密ダイヤ」が動くということは、Switch2の基礎体力がミドルクラスのPC並みに達しているという証拠です。
② コントローラーの「マウス機能」
最大の壁だったのが「マウス前提の操作画面」です。 しかし、Switch2のコントローラーには「マウス機能(ポインティング)」が搭載されています。 これにより、PC版の複雑なUI(線路敷設やダイヤ設定)を、無理に簡略化することなく、そのまま持ち込めるようになったのが決定打でしょう。
まとめ
- 「はじまる観光計画」: 楽しい経営シミュレーション。
- 「A列車で行こう9」: 終わりのない鉄道模型シミュレーター。
16年分の進化が詰まった「9」。 寝転がりながら、PCと同じ密度で「ダイヤグラム」を組める日が来るとは、良い時代になったものです。
